第3話

 町に着いた時には分からなかったがやはり変わってるものだな。

 高いところに登ったのは正解だった。


 町の角にあったパン屋はもうない。

 何も無かった道に屋台が立ち並んでいる。

 高いところから見渡した方が圧倒的答えを知れる。


 ·····見るものが無くなったな。

 昼頃か·····何もすることがないな、どうするか。

 町を歩くか。


 ◇


 とは言ったものの。

 何か見たいわけでも何か買いたいものがあるわけでない、宿屋に戻って寝るか?。


「うっ...うっ....」


 ·····泣いてる子供。

 周りには親はいない、兄、姉らしき人もいない·····。

 ということは迷子か。


 困ったな自分は子供が苦手なんだが。

 こういうのは関わらない方が得か。


「うっ...うぅ」


 ◇


「迷子か?」

「うっ....」

「·····答えてくれないと困るんだが?」


「お、おねぇちゃんとはぐれちゃって·····」

「そうか。でどこかあてがあるのか?」

「わからない·····」


 やはり関わるべきではなかった。

 今すぐにでもこの場を立ち去った方がいい·····かもしれないが。


「そのおねぇさんの名前はなんというんだ?」

「ミミ·····」

「そうか·····」


 ミミか。

 ミミ·····ミミ·····見つけた。

 なるほどあっちも探してたというわけか。


「おねぇさんの居場所になんとなく心当たりがある、確証は無いが着いてくるか?」

「ほんと?」

「·····ああ」


 ◇


 たしかこっちにいたはずだ。

 ·····ん、ああ、あそこか。


「キミ、あそこにいるのは君のおねぇさんではないか?」

「·····え?·····あ、ほんとうだ!!」

「おねぇちゃーん!!」


「マヒ!!よかったよかった!!」

「あのね!優しいお兄さんに連れてきてもらったの!!」

「そう·····ならありがとうしないとね」


「うん!!」

「えっと·····マヒ、そのお兄さんはどこ?」

「えっ·····あれ?さっきまで一緒にいたのに·····」


 ◇


 そろそろ終わってる頃だろう。

 解体屋に向かおう。

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