第12話 不老


 その国の王は不老の妙薬を求めていた。

 病気を患い日に日に弱っていく体。老化により体は無理が利かず段々と皺の増えていく。

 先代の有り様を目の当たりにして、こうはなりたく無いと追い求める様は狐が着いたのかと噂される程である。

 

 そんなある日噂を聞き付けた薬師を名乗る者が姿を現した。

 語るに「私であれば望む薬を作れます」と。

 王は「ならば作ってみせよ。もし嘘であったなら貴様の舌で責任を取ってもらう」と騙そうと画策した者の千切れた舌を見せるが薬師は臆する様子はなかった。

 その自信のある振る舞いは信じさせるに値した。


 薬師の言われるがままに材料を集めさせ、そして完成した薬を差し出された王は一口でそれを飲み込んだ。

 「これで俺は永遠を手に入れた」

 そう喜びその日は大規模な宴会を開いて大いに祝うのであった。

 

 翌日目が覚めた王の目は赤く血走っていた。

 物々しい王に対して薬師が膝を付いて語る。

 「私であれば望む薬を作れます」と。

 「ならば作ってみせよ。もし嘘であったなら貴様の舌で責任を取ってもらう」

 同じく続いた王の言葉に、小さく笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

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