骨の拳法家
「拳法家ねぇ…」
俺はシュウという名と拳法家でとある男を思い出した。
転生前。俺は中国の資産家の
そして、俺は黄を奴の所有するビルで追い詰めた。
「黄。お前も年貢の納め時だ」
「ちぃぃ!
黄の叫びで呼び出されたのは、2メートルもありそうなスキンヘッドの男であった。
「誰だよ」
「我の名は
奴を食べ物で表すならば四川料理よりも辛く、北京ダックよりもヤバイ。
周は拳法を極めており、どんな奴も殺してきたという狂気の拳法家だ。
俺は目の前のシュウボンを睨み付ける。
「本当にアンタを倒せば人間の居場所を吐くんだな」
「あぁ。我に二言はない。さぁ、来い!勇者!」
「行くぞ、トロイト」
「はい!」
俺はシュウボンに飛びかかり、奴の上で火花を散らす。
「そんな小細工は我に効かぬ!」
そして、短剣とダガーナイフで切りかかる。
「うっしゃあ!」
「フン!」
奴は腕をクロスし顔を守る。そして、二本の刃が腕に喰らいつく。
「ぐぅぅぅぅ!」
「フフフ。体ががら空きだぞ!」
シュウボンの蹴りが俺の鳩尾に決まる。
「はぁっ!」
「ぐばぁ!」
俺はうっかり短剣とナイフを離してしまう。
「くっ…」
「はぁっ!」
シュウボンがこちらに殴りかかろうとする。
「ファイアアタック!」
「何ッ」
だが、トロイトが炎を出す。しかし、シュウボンが奇妙な構えをした。
「フン、炎か。そんなもの、我の拳法に効かぬわ」
すると、シュウボンが手のひらを炎に突き出す。
「ハァッ!」
何と炎が反射。トロイトにそれが襲いかかる。
「くっ!ウォーターアタック!」
杖から大量の水が溢れ、炎を消した。
「ほう。流石魔法使い」
「目ェ逸らすなよ」
俺はシュウボンに殴りかかる。
「見えなくとも分かっている」
奴は俺を見ずにエルボーを仕掛ける。
俺は何とか数ミリで避け、奴の顔面に全力のパンチを決めようとした。
「しゃらっ!」
「ほほう」
だが、奴は体を背け、俺の殴り終わりの腕を掴む。
「拳法家というものは柔と剛を使い分ける。それは、骨になっても同じだ」
そして、シュウボンは骨の力とは思えない握力で俺の右腕を破壊したのだ。
「ぐはぁっ!」
「左目も潰しておこう」
奴の拳が俺の目を突こうとする。
「くぅぅぅ!」
俺はなんとかそれを躱す。
「ほう…」
「こっちの番だ」
俺は左手で奴の肋骨を掴み、左手の握力をマックスにする。
「一本くらい折れとけやぁ!」
「なっ、かはっ!」
そして、俺が掴んだ骨は折れた。
「ぐっ…我が骨を」
「意外と柔らけぇな。カルシウム足りてねぇんじゃねぇか?」
「舐めるなぁ!」
シュウボンの全力のパンチが顔に飛んでくる。
「ハッ!」
「よっと」
しかし、俺は体を背け、奴の殴り終わりの腕を掴む。
「確か、柔と剛つったっけ?真似させてもらうよ」
俺は握る手に全力を込め、奴の右腕は粉々となった。
「ぐばぁぁっ!」
「これでフェアだな」
「くっ…次でトドメだ」
俺とシュウボンは左手で殴る姿勢に入る。それはまさに西部劇の撃ち合いの様であった。
「トロイト。手は出すなよ」
「は、はい!」
そして、お互いに殴りかかる。
「はぁぁぁ!」
「チェアぁぁぁ!」
俺は奴の眉間に、奴は俺の腹にパンチを決めた。そして、お互いを通りすぎる。
決着は__俺は腹を抑える。
「ぐっ」
「ふっ、勝ったな」
すると、シュウボンの眉間から骨がポロポロと崩れてきた。
「な、何だ!我の顔が!」
「けっ、普通のパンチをすると思ったか?」
「何をした」
「中指の第一関節を突き出してのパンチだ。痛かろう」
「グフフフ、見事だ。流石勇者。肉弾戦で我に勝つとは」
すると、シュウボンは向こうに指を指した。
「アッチに、さらってきた人間共がいる。そして、我を倒した勇者に褒美をやろう」
シュウボンはズボンに隠してあったペンダントを出した。
「これは?」
「こいつは力のペンダント。これをつければ肉弾戦が強くなる。受けとれ」
「あぁ。貰うぜ」
俺がペンダントを貰うと、シュウボンは消えていった。
「さて、人間達を救いますか」
「その前に回復を」
俺は回復を受けた後、ナイフを拾い上げシュウボンの示した場所に向かった。
そこには檻に囚われている沢山の女子供がいた。
「今開けるぞ!」
俺は近くにあったレバーを動かし、檻を上げた。
「早く逃げてください!」
そして、俺達は洞窟を出た。
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