第16話 基礎能力

 最初の部屋は『気力』『体力』の回復が早い。ただし、上限値の減った状態から戻すには、外に出たほうが早い。


 今のところ必要はないが、【生産】で高レベルなものを扱うようになれば、おそらく気力が不足する。プライベートダンジョンの最初の部屋は、生産設備と休憩のための設備を置くのが、最近読み漁ったネットでよくみるパターンだ。薬で回復するのではなく、休憩を入れて気力の回復を待つ。


 『化身』のステータスは、『生命』『体力』『気力』『頑健さ』『力』『速さ』、そして『火』『土』『水』『風』『光』『闇』の基本属性。基本属性は混じり合って、『氷』や『雷』など他の属性も生む。


 『生命』は0になるとダンジョン内で死に、『化身』を『変転具』ごと失う。


 『体力』はダンジョン内で活動するためのもの。これが低くなると、『気力』を削り、怪我をした時などの回復も遅くなる。減る原因は、活動の度合いと怪我など。


 『気力』は能力を使う時に消費するもの。また、ダンジョン内部にいるだけで、消費される。能力の使用などで急激に消費すると、『体力』を減らすことがあり、逆に『気力』があれば『体力』が低い状態でも活動できる。――『体力』が減った状態は『気力』も減らすので、長い時間ではないが。


 『生命』も『体力』も『気力』も薬や魔法で回復することができるが、『体力』『気力』は、ある時を境に上限値が減りだす。例えば気力が100あれば、回復すればマックスは100に戻るわけだが、それが90までしか戻らなくなり、だんだん減っていく感じ。


 『体力』『気力』が0になると『化身』が解かれてしまう。魔物がいる状態で、生身になったら普通に死ぬが、仲間がいればそうなる前に外に連れ出してくれる……かもしれない。


 『頑健さ』は『体力』と『気力』の消耗速度や消耗する量に関係する。『頑健さ』が高ければ、消耗は少なくなり、上限値が減りだすタイミングも遅くなる。この3つの基礎能力は、それぞれ影響しあっている。


 『力』『速さ』は字面のままだ。


 レベルアップ時に【椿】【杜若かきつばた】【藤】【桜】【菊】【梅】の6枚のカードから4枚が現れる。そこから好きなカードを2枚選び、出た能力が上昇する。


【椿】は『火』『力』、根源の力。

【杜若】は『水』『気力』、心の強さ。

【藤】は『地』『頑健』、心身の強さ。

【桜】は『風』『速さ』、解放。

【菊】は『光』『体力』、進むしるべ

【梅】は『闇』『能力』、守る標。


 【梅】の『能力』は『運命の選択』で授けられた称号による能力が強化される。模様は国ごとに違い、中身は一緒だが花や花以外にもあるようだ。


 選び取ると、属性か基礎能力のどちらかが上がる仕組みだ。スキルを中心に戦う魔法使い系が、『気力』を上げたくて【杜若】を選び、『水属性』ばかり上がったとかも聞く。


 『運命の選択』で得たものと『生命』は、レベルアップ自体で少し増えたり、強化される。称号による能力は、様々な機会で上昇しやすくなっている。


 レベル1の基礎ステータスの平均値は『生命』『体力』『気力』が100、他が10だ。性別種族などで多少変動があるそうだ。


 自分が今いくつくらいなのか気になる場合は、『運命の選択』の【鑑定】持ちに見て貰えばいい。レベル差があると能力が阻害される場合もあるが、能力持ちが直接触れ、鑑定される本人が受け入れていれば失敗することはない。

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