　倫理的にどうかな～、とは思ったんですよ？　本当ですよ？

　でも、これはこれである意味良い思い出ではあったので、友人の尊厳を破壊しつつ記述していこうかなと。今にして思えば、結構クソな奴が多い自分の同級生を見直すことができる良い機会でもありましたし。さて、本題に入りましょう。

　昔、ある授業を受けていました。普通の日で、普通の授業で、いつもと何も変わりませんでした——その授業が終わる直前までは。

　そう、それが起こったのは授業が終わる直前でした。臭いがしたんですよ。その臭いが、うんこの臭いだとはすぐ分かりました。冷静に考えてみると、うんこって独特な臭いだよね。

　で、その元凶は何だと周囲を見渡す訳ですよ。勿論自分だけでなく、他の子もね。「んー、誰だろう」って思って見渡していたら、一人周囲を見渡さず、どこか挙動不審な子がいました。

「……あいつかァ————ッ！！！」

　そう心の中で叫びました。だって分かりやすかったんだもん。周囲もそれに気づき、確かざわざわしたような、してなかったような。

　当然先生は生徒の尊厳を守るものですから、恐らく気づいていたとは思うんですけど、黙っていました。生徒側も黙っていました。

　それで授業が終わり——それと同時に、その子はトイレに駆け込んでいきました。

　自分が心配したのは、その子の今後でした。自分とその子はかなり仲良かったんですけど、言ってしまえばスクールカーストの上位の方にいる訳でも無く（これに関しては自分も同様ですが）、部活では居場所が無い感じだったので、最悪いじめに発展するのではないかと心配しました。

　ウチの学校の子って、相手が男だろうが女だろうが、スクールカースト下位だろうが上位だろうが、めっちゃ人をいじったり、陰口を言ったりするんですよね、最悪いじめレベルで。自分もそれの被害者で、それと同じことが起こるのではないかと危惧しました。

　——んですけど、卒業までに結局そういったことは起こりませんでした。あくまで確認した範囲ですが。あの連中にも、人の脱糞を理由にいじらない、いじめない程度の良心はあるんだなーと、今更ながら見直しました。

　……いや待て。あいつら俺がオタクだってこと散々馬鹿にしてきたよな？　なんかムカついてきたわ。まあそれについては後々書こうと思います。

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