第3話
宴会の会場であるルーロ天文台の最寄り駅につき、今は少しばかりの休憩をとっている。
アルマは平気と言っているけれど、顔色が悪く、平気とは程遠い顔をしていた。
本人は隠し通せていると思っているのか、平気と繰り返し言いながら足を進めようとしていた。
そういうところも可愛いけれど、少しは本音を言って欲しいなとも思う。
五分ほどで顔色は良くなって、体調も回復したようで、今は、会場に向かっている。
両親だけと会うなら気が楽だったのだけれど、宴会でなので、いろいろな方々が出席するようで、天文台という場所だからなのか
特に学者や魔道師、魔女が多く出席するとのこと、この人たちは、よく出資を求めて迫ってくることが多いので、あまり良いイメージは無いのだけれど
最近、父上だけでなく、貴族全体で交流しようという動きが活発になってきているようで
一部の貴族では、武器商人や奴隷商人との取引だけでなく深く関わるような者もいて、
私の知っている昔の貴族と今の貴族は違っているようだ
そんなこともあってか両親に会うのが少し不安になっている
少し緊張をとるためにアルマの手を繋ぐイタズラをしてみることにした
「アルマー」
そう言って私の前を歩いていたアルマの手にゆっくりと自分の手を近づけて
「どうしました?」
とアルマが振り向くと同時に手を握ると
顔が少し赤く、目線をそらして道の脇に建てられた宿屋に目線を向けると、また、目線を違う建物に向け、
「少し休みましょうか?」
と喫茶店を指差した
私は少しは言及して欲しかった手を離し
「そうしましょう、私も疲れてたの」
と体の向きを
急いで向かわなければならない宴会の会場である天文台とは違う喫茶店の方向を向き足を進め、緊張が少し無くなったことに満足しながら喫茶店へ入った。
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