第19話 付き合うって何
例の同じクラスの男の子と付き合うことになったが特に話すわけでもなく
出かけるわけでもなく
なんだこれ?考えてたのと全然違う
好きなんじゃなかったの?
それとも勢い?
意味わからなすぎてもう気にするのもやめた
そうしたらいつだったか「別れよう」と
いやいや、そもそも論よ
付き合うようなことした?話した?
電話した?会った?
会ったのは学校のみですよね
「いーよ、おわりねー」と私もそのまま返した
なんじゃこのおままごとみたいなやつは
だからといって西川に連絡するはずもなく来るはずもなく友達と楽しくやっていた
恒例のテストは嫌いだけど楽な学校に入ったからそんなにテストも難しくない
その頃はよく漫画を貸し借りして読んでいた
単行本だったり少年誌だったり物語のワクワクが早く次ないかなとソワソワしてた
恋愛ものみても現実はそうじゃないんだよと変に悟ってしまっていた
私だって少女漫画のヒロインみたく輝きたかったわよ
一途に誰かを好きになって相手も私を好きになってくれて、クラスの人に知られるのは恥ずかしいからアイコンタクトで、とか
あるはずない!!
だからある意味ちゃんと物語として読めてたのかもしれない
授業の、休憩時間にトイレへ行こうとすると廊下でイチャついてるカップルをよく見かける
恥ずかしくないのかなと思いつつ通り過ぎようとすると
「那智ー!どこ行くの?」と
「え?トイレだけど」そうだそのために廊下を歩いてるのだ
「そっかー、またねー」とヒラヒラ手を振ってくる
とりあえず返しておこうと手を振り返す
二人の世界じゃなかったのかな、案外周りを見ているらしい
私は校内に彼氏が出来てもあれは出来ないな…と尊敬も含め納得してた
西川の情報はどこからも入らない
共通の友達がいないから
あの時連絡しなくても形だけでも付き合ってたら良かったのかと後から考える
でも結局カタチだけなんて意味ないし
忘れる努力をしないと
努力って例えばなんだろう、好きなこと?
今ハマってるのは漫画、それが終わったら?
なんだか虚しくなってきたなあ
でもただ「彼氏が欲しい」とはならなかった
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