第12話 地獄の体育祭
西川と話さなくなってしばらく経つ
班も別れてしまったしこんなもんなんだ
でも教室に入れば目に入る
楽しそうに笑ってる
私とのことなんかなかったかのように
これは未だに謎なんだけれども
私たちは付き合っていたのだろうか
ただ話が合って仲よかっただけなんだろうかいろんなことがわからないまま日々がすぎる
さて、体育祭の時期です
私は基本参加出来ないから応援席か保健室
全校練習で長時間椅子に座ってるだけで貧血を起こして木陰に隠れて時間をやり過ごした
「大丈夫?」同じ色のハチマキ…
誰だろうと考えながら
「あ、はいありがとうございます」
と答えた
それが校内一の人気者の先輩だと知らずに…
校内一は当たり前、スポーツ万能、優しい
スポーツ推薦で高校も決まって今も一応プロとしてやっている
優しい人もいるもんだ感謝感謝
それからはほとんど保健室にいるようになった
暑い日差しに耐えられなくて先生を煩わせたくない
だから擦りむいたとか簡単な処置はできるようになっていた
保健の先生が外にいる時は留守番みたいな感じで熱中症気味の人は寝かせて氷枕用意したり靴下脱がせて濡れたタオルで冷やしたり
体育祭終わるまでここにいたいなと思ってたら大間違い
「𓏸𓏸さん、フォークダンスくらいなら大丈夫そうじゃない?」と先生が
え、まさかここでそんな提案が来るとは思わず何かあったら困るからここにいたいといったものの参加になっていた
フォークダンスが嫌なわけじゃない
西川に回ってくるのがいやなのだ
いや、嫌というよりどうなるのかがわからなくて不安だったのだ
練習の時、順番が回ってきた
ん?なにも触れないぞ?と思って少しだけ後ろを見たら空中手繋ぎ
あ、ああ手も合わせたくないと
それは申し訳ない!と言いたくなった
もちろん体育祭本番もそう、空中手繋ぎ
そんなことしてる方がおかしいじゃんと思う私とは違い触れたくもない存在になっていたのだ
最悪な体育祭だった
修学旅行ももちろん班は違うし男女がわちゃわちゃしてる中にも入れないし、隅の方にいたような気がする
少女漫画みたいなヒロインにはなれない
まるで姉がくれた映画のチケットからもう運命は決まってたのか
姉を責めるつもりは無い、もちろんない
2人で原宿行ったし楽しかったし
私は…楽しかった
早退する時大丈夫?と声をかけてくれたのも嬉しかった
あの優しさは嘘じゃない、と思いたい
そんなこんなで冬、受験シーズン
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます