第7話 黒板の隅でナイショ話

保健室で休んでる間に新しい班決めがされてる…私はどんな班にいてこれから過ごすんだろうと思ったけど保健の先生に帰りなさいと言われ教室に戻ってきたら新しい班で私の向かいには前期同じ班で言い合ってた1人…え、なんで?と思ったらその子

「早退?顔色良くないね、ゆっくり休んでね」と。

え!?は!?何が起きてる??

いままで散々言い争いしてたのに…急に優しくなるのもなんだろう居心地が悪いというか仲が悪いことよりいい方がいいんだろうけど納得するにも難しい!

とにかく帰る支度して帰った。

1年間通してこの人といるのかあと思うと気持ちが沈んだ。


私は当時あるミュージシャンが好きでよくCDを買っていた。

音楽雑誌にはよく出ていてお小遣いの中でどうやりくりするかが大変…雑誌を買っては切り抜いて挟める下敷きの手作り。

毎月変わったり雑誌によったらまた写真も変わるし。私の唯一の楽しみはこれだった。


私はとにかく頭が悪く、授業にもついていけない。ノートにはとるんだけどそれを理解しているわけじゃない。だからといって私と同じようなおバカな友人もいないし。


ある時姉から会社で映画館のチケットもらったから友達誘って行ってきなよ、と。

えーーーー

私休日遊ぶ友達いたっけ?

………………チ───(´-ω-`)───ン


ピコン!1人思いついた。

向かいの前期でも同じだった男子。

でもどうやって誘えばいいのかな…

前の班で仲の悪かった男子

でも体調気遣ってくれた

よくわからない不思議な男子

うん、その子を誘おう

別にデートとかそういうんじゃないし

確かノートとっといてくれたからそのお礼として誘ってみようと

放課後(帰りの会が始まる前)にちょいちょいと手招きし、黒板の端っこで2人がまとまる


「あ!あのさ!もし暇あったら映画行かない?

お姉ちゃんに2枚映画のチケットもらったの

誰か誘おうかと思ったんだけど思いつかなくて日々のお礼も兼ねて…どうかな?」

一気に話してしまっていた

彼も何事か、?と思っていたに違いない

でも「うん、いいよ」と二つ返事

内心ほっとしながら「じゃあ詳しい日程は…これから部活だし𓏸𓏸日の放課後でいい?」

「わかったー」


やった!やった!約束とりつげた!

本当に顔に出ないように帰りの支度をしながら姉に心の中で感謝した。


それから数日後、私はすっかりその約束の日を決める約束の日を忘れて普通に部活へ行っていたのだ


クラスメイトの同じ部活の男子が

「あいつがなんか待ってたよ?話がどーとか」

……………………!!!!!


やばい!やらかしたー!

「ありがとう!!教えてくれて!」

「先輩、すみません少し抜けますすぐ戻ります」

ダーーーーーーーッシュ!

教室を覗いて見たら私の席の椅子の後ろに小さくなって丸まってた

もうそれだけで可愛くなってしまって

ごめん!とは謝ったけど可愛くて頭を撫で回してしまった

彼のサラサラな髪の毛が結構好きなのだ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る