第8話 居心地

 私は、聖香に対しての不満をとうとうぶちまけてしまった。



 ラインを開き、聖香にメッセージを送った。



『このままだと人離れていくけどいいの?』



 直ぐに返事が来た。



『遥ちゃんも?』



『どうだろうね。でもはっきり言って、友達の事悪く言うような彼氏と一緒にいる人は嫌だ。好きじゃないやつとの約束守って何が良いの?何が大切か考えな。』



「はぁ…。」



 これで私は、聖香と鈴から陰で色々言われるのだろう。


 

 でも、自分で選んだ道だ。



 仕方ない…。



 私は、スマホを閉じて、ベッドに寝転がった。



 予想していた通り次の日、学校では気まずい空気が流れていた。



「おはよう。」



 聖香は驚いた顔をしていたが、「おはよう。」と返してきた。



 私達は、それ以降話さなかった。



「大丈夫?」



「愬…。」



 昨日の事を私は愬に話していた。


 

 どうやら心配して来てくれたようだ。



「大丈夫かな。今のところは。覚悟はしてるよ。」



「そっか。なにかあったら教えるね。」



「ありがとう。」



 愬にお礼を言って、私は授業の準備を始めた。



 聖香は、予想通り鈴に愚痴を言っていた。



 そこに愬も混ざる。



 私はそれを遠くから眺めていた。



 何を言っていたかは聞こえなかったが、こっちを見ていたので恐らく私の話だろう。



 私は暫く、小学校からの付き合いの友人二人と過ごしていた。



「……ってことを言っちゃったんだけど。」


 友人二人に話す。



「いいんじゃないかな。だってずっと我慢していたんでしょ?言っていいと思う。」


 

「そうだね。いいんじゃない。」



「ありがとう。」



 少し心が落ち着いた。



 私は、改めて小学校からの付き合いの友人に感謝した。



「まぁ、あっちがどうするかだね。」



「そうだね。」



 動くか、動かないかで仲が戻るか戻らないか決まる。



「仲直り出来るといいな。」



「そうだね。暫くはこっちにいなよ。」



「そうするよ。」



 家に帰り、疲れが溜まった私はリュックを下ろし、ベッドにそのままうつぶせの状態で寝てしまった。



 

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恋か友情か 辻本 寧緒 @Neo0708

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