第7話 束縛
「あのさ。ちょっといいかな」
「いいよ、どうした?」
聖香から、相談をされた。
「実は、春斗から、監視されてて」
「どういう監視?」
「なんというか、一緒に帰ってる人とか勝手に知られてて。私はそれが凄い嫌で…」
「は?!きっしょ!!きっも。え、ヤバすぎでしょ」
ついでかい声で言ってしまって、口を押えた。
「それで、春斗の同じクラスの人から情報が入ってるみたいで」
「うわ……」
ドン引きしながら、聞いていた。
「気を付けないと……」
「そうだね…」
そこまで束縛するような奴に初めて会ったので、私は驚いていた。
聖香は、ぐったりとしていた。
そりゃあ、いつ誰に見られていて、どこで情報が入るか分からないから常に人目を気にしなければいけない状況は疲れるだろう。
ぐったりする気持ちも、分からないわけじゃないが……。
更に一週間後、とんでもない情報が入って来た。
「私さ、中学の先輩男の人なんだけど、その人と一緒にその人と帰り際、一緒になってさ」
「うん」
「それを、どこから知ったのか分からないけど、春斗は知ってて」
「うんうん」
「春斗は、俺情報入ってくるから!ってどや顔で言ってきてさ、次そういうのあったら別れるみたいにいわれてきたんだよね」
ださい。心底ださい。格好つけている事がださい。発言もださい。
「うわぁ……」
もう呆れていた。
「別れちまえ」
「約束あるからなぁ…」
なんで、そんな約束に囚われる?
不思議でしかなかった。
段々とイライラが募っていった。
彼女に対して。
普通に振舞うのが難しくなっていった。
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