第八話 星守の地で
「ほんと、久しぶりって感覚だな」
「真夜君にしてみれば、四年以上前の話になるのでしたね」
「まあこの間、救援に向かった時に来てるんだが、こうやって電車使って普通に里帰りするとまた違った感じがする」
真夜と渚は現在、星守本邸の所在地の最寄り駅までやってきていた。
土曜日の朝。本日の昼に渚の星守の養子入りでの一族総出の顔合わせがあるので、それに合わせる形で二人は電車を乗り継ぎやってきていた。
駅まで来れば、迎えを寄越すと朝陽が言っていたので、二人は改札を出て指定の場所まで向かっていた。
「それと俺の星守での扱いは正直言えば微妙だから。特に同年代の宗家や分家、門下生の一部は俺の事を下に見てる。今の俺からすればどうでも良いことだから、渚もあんまり気にするな」
朱音などはその件に関して割と怒っていたので、渚にも前もって伝えておく。
「わかりました。でもすぐに見返すのでしょう?」
「見返すってのは少し違うかもしれねえが、舐められないようにはするつもりだ。じゃないと渚にも悪いからな」
京極では嫌な思いをしていた渚に、星守でも似たような思いを抱かせるのは避けたい。自分ならばどれだけ言われても良いが、それが渚や朱音にまで飛び火するのは腹立たしい。
「いえ、私の事は構いません。どの道、私自身も星守に養子入りに際して、政略以外でも有益であると証明させる必要がありますから。それよりも私や朱音さんは真夜君が馬鹿にされている方が我慢なりません」
渚も落ち目の京極一族の人間が星守に取り入るために来たと思われるのは避けたい。京極家のために何かをしようとは思わないが、父と和解した今は父に迷惑をかけないようにしたいとは思っている。
自分自身が星守家にも有益であると思い知らせる必要はある。
だが真夜の事に関して渚も朱音も、彼が馬鹿にされるのが我慢ならない。
恋人同士であり、以前からも幾度も自分達を救ってくれたこともある。それに隠されている実績はどれも偉業と言っても過言では無い。
黒龍神などの覇級妖魔や六道幻那の討伐に罪業衆の壊滅、星守や火野の若手の救出や京極一族の治療と呪いの解呪などなど、羅列すればおかしいだろと言わんばかりの功績である。
かつての落ちこぼれ時代にしても、その原因となったのは真昼を助けるために自分の力を与えたことによるもので、真夜に落ち度など何も無いのだ。
本人は気にしていないのだが、そのことで真夜が馬鹿にされるのは、渚も朱音も到底受け入れられる事では無い。
「その辺に関しては今回でどうにかするさ。婆さんや親父とも話はしてるし、異世界云々は話せないが、無理の少ない話で押し通すことになるだろうけど」
急に強くなりました、では納得しない者が大半だろう。明乃も朝陽もその辺りは周囲が受け入れやすい理由をでっち上げるとのこと。
「あのお二人にお任せしていれば大丈夫ですね。私の方も真夜君にふさわしいように頑張りますから」
真夜の実力が知れ渡れば、逆に彼にふさわしいのかという問題が生まれる可能性がある。
渚も朱音も優秀であるし血筋的に問題は無いのだが、渚の場合は父の意向で実績があまり公になっていない。さらに落ち目の京極一族ということもあり、問題視されるかもしれないと危惧していた。
朱音の場合も実績はあるが、クォーターと言うことで一部から反対意見が出る懸念もある。
「大丈夫だろ。反対意見なんてどうにでもなるだろうし、次期当主は兄貴だからそこまで婚姻関係でこじれることもないはずだ」
「ですが私も朱音さんも色々と心配はしてしまうんです。真夜君は凄いですし、格好いいですからね。新しいライバルが出ないとも限りません」
「俺は渚と朱音以外に興味はねえよ。いや、二股かけてる時点で説得力皆無か」
「ふふっ。そこは私達も納得しているのでご心配なく。ですが他にも目移りされるのでしたら、少々妬いてしまうかもしれませんが」
笑っているがどうにも笑えない冗談を口にする渚。一瞬、目のハイライトが消えた気がしたのは真夜の気のせいだろうか。
「そんなことはしねえよ」
「はい、お願いしますね」
と軽く笑い合う中、迎えの車がやってきた。星守家が保有するクラウンだ。
「真夜、渚さん。お疲れ様。真夜も元気そうで何より」
助手席に乗っていた真昼がドアを空けて降りてくると、二人に挨拶をする。
「兄貴もな。この間は助かったよ。調子は問題ないか?」
「うん。僕の方はあれからも変わりなく。多少は腕を上げたつもりだけど、まだまだだね。真夜の方は?」
「俺の方はぼちぼちだな。心配しなくても時間が解決してくれる話だし」
「そっか。それは何より。渚さんも今日から改めてよろしく」
運転手に聞かれても大丈夫なように当たり障りの無い言葉を選ぶ。真夜の弱体化も大丈夫だという話も聞いていたが、こうして直接会って元気な姿を確認できたので、真昼としても一安心だった。
それに渚も自分達の家族になるので、それもまた嬉しい。渚には真昼も真夜と一緒に助けてもらった恩がある。
「こちらこそよろしくお願いします。星守一族の名に恥じないようにしますので」
渚の返しに真昼は苦笑する。真昼も今の星守一族の現状に危機感を持っていた。朝陽達と同じように増長する者達を見てきているからだ。それに真夜の問題もある。
「うん。渚さんなら大丈夫だと思うよ。ここから僕が真夜と渚さんを案内するから」
これは朝陽達の配慮でもある。迎えが真昼で一緒に星守の本邸に赴けば、真夜に対して正面から何かを言ったり、下手な態度を取る事は誰もしないだろう。
運転手が後部座席のドアを開け、真夜達にどうぞお乗りくださいと頭を下げている。
尤もすでに朝陽が一族を集めた公の場で真夜に対する対応を改めるようにと命じ、明乃もその場で今までの自分の対応は行き過ぎていた、今後は改めると朝陽や結衣に謝罪した事でちょっとした騒ぎになったりもした。
これで表だっての真夜への風当たりは緩くなるだろう。それでも何かをしようものなら、罰も与えやすい。
今まで散々見下していた相手に対して、朝陽の厳命や明乃が強く反対しなくなったことで内心は面白く思っていない者もいるだろうが、朝陽はその後の事も色々と画策していた。
「父さんも色々と考えてるみたいだよ」
「……だろうな。詳細は俺も聞いてないが、親父の事だから結構ぶっ飛んだことをしそうだな」
京極家の一件で当主としてだけでなく、退魔師界の中でもその権限は強くなっている。人当たりも悪くなく敵も少ないので、味方も多い。
しかしたまに突拍子も無い事をしでかすので、真夜は何を企んでいるのやらと多少不安を覚えなくも無い。
「そこは僕もまだ聞いてないけど、たぶん大丈夫じゃ無いかな?」
「どうだろうな。まあ行けばわかるだろ。じゃあ兄貴、悪いが頼む。行くか、渚」
「はい」
三人は車に乗ると、そのまま星守の本邸へと向かうのだった。
◆◆◆
星守本邸では昼食会の準備が進められていた。星守一族が一堂に会する重要な集まりであり、警備も含めて物々しい雰囲気があった。
「会場の準備は終わりましたね。では料理の確認もお願いしますね」
結衣が現場の指揮を行い準備に奔走している。矢継ぎ早に、しかし余裕を持って指示を出している。
万が一の事があってはならないので、毒味や霊的な呪いなどが無いかも確認する必要があり、そのための専門の人間が駐在しているので、そちらへの指示も出す。
走り回る結衣とは対照的に、朝陽は明乃や分家当主達や分家の引退した長老達と会場とは別の部屋で話をしていた。
「ずいぶんな張り切りようだのう、朝陽」
「ええ、時雨殿。星守としても重要な催しであると思いますので」
朝陽が話をしているのは星守時雨。身長は一般男性並みで見た目は糸目の白髪、白く長いあごと口髭でどこか仙人を思わせる容姿をしている。
「落ちぶれた京極などに気を遣う必要などにないというのに、お前もマメよな」
時雨は京極一族が嫌いであった。京極長老衆世代と同じ時期に活躍してバチバチにやり合っていたり、年老いてからも政財界とのやりとりの中でもかち合っていることもあり、京極家には良い思い入れが無いどころかかなり嫌っている。
「それでもです。星守一族も力を付けてきておりますが、一族の数も他に比べれば少なく盤石ではありません。また下手に敵を作るべきではありませんし、京極家の没落はこちらへの影響も大きいですからね」
星守の血を引く者は、現役、引退世代を含めて二十人にも満たない。若手は多いのだが、とある理由で朝陽やその上の世代が著しく少ないため、勢力拡大は中々に難しいのだ。
「ふん。星守も次世代は育ってきておる。儂の孫達も皆優秀だ。いっそのこと、京極を乗っ取るのもありかもしれんがな」
「はは、流石にそれは些か難しいかと」
時雨の言葉に朝陽も苦笑する。確かに考えなかったわけでは無いが、それをするにも問題がつきまとうし、星守と京極が一つになった場合、統制が取れない可能性が高かった。
「……まあよい。長老衆共の大半が鬼籍に入ったので、あとはどうにでも出来よう。忌々しい連中であったが、死んでまでとやかく言うつもりも無い」
時雨も腹の中では散々煮え湯を飲まされた相手が死んだことで溜飲を下げていたが、それを敢えて口に出すことはしない。
「時雨、その件はすでに話し合ったであろう」
「わかっておるわ、明乃。だが儂を含め、ほとんどの者に独断で話を進めたのは気に食わん。確かに決定権は当主にあるし、お前が朝陽を支持するのならば儂らも決定には逆らえんが、すべてお主らだけで決定しておるならば、一族内で問題も大きくなるぞ」
「肝に銘じておきます」
時雨が吐き捨てるように言い、朝陽は頭を下げる。一族内での不和は確かに問題だ。下手をすれば当主に反意を抱く勢力が生まれるかも知れない。
時雨は次期当主に自分の孫をと画策してた。海も陸も空も優秀であったので、可能性はあった。
しかし真昼が覚醒したためその夢も潰えた。真昼がまだ霊器を顕現していなければ違ったが、実績も相まってこれで当主にならなければ別の問題が出てくる。そのため時雨は別に策を画策しようとしているようだ。
(さてさて、時雨殿は何を画策しているのやら。まああまりこちらには面白い話ではないだろうが)
(時雨め、星守を割るつもりか? だがいかに星守の権力が強くなったとはいえ、その大半は朝陽や私、あるいは真昼がいてこそだ。こちらと敵対して内紛まがいの事をすれば、それだけで周囲の印象は悪くなる)
朝陽も明乃も時雨がどのような策謀を巡らせているのか懸念する。
明乃としてはあまり好ましくないが、星守一強よりはいいと、朝陽ならばこれ幸いと星守を割る判断を下さないとも限らない。
当主としての責任感はあるが、自由奔放な所がある朝陽ならばためらわずにするかも知れないし、そうなった場合、夕香が時雨につく可能性は限りなく低い。結局は一人負けになる。それに思い至らないほど愚か者ではないはずだが。
「失礼します。真昼様が真夜様、渚様をお連れになられました。すでに結衣様にはご連絡済みです」
「わかった。三人には着替えてもらわないといけないからね。準備ができ次第、真昼達は部屋に案内するようにしてくれ。渚ちゃんは結衣に任せるとしよう。さて皆様、私達も準備をするとしましょう」
女中の一人が部屋の外から声をかけると、朝陽は皆にそう告げる。
(さて。時雨殿が何かをするつもりなら、私もしっかり悪巧みをさせてもらうとしよう)
朝陽は笑みを浮かべながら、次の一手を進めていくのだった。
◆◆◆
「久しぶりですね、真夜! 元気にしてましたか!?」
「……おう、海か。久しぶり。俺はまあまあだが、そっちは相変わらず元気だな」
礼服に着替えた真夜と真昼が星守の若手が待機する部屋にやってきたのだが、部屋に着くと一番に従姉妹の海が話しかけてきた。
押しが強い女は朱音もそうだが、海はまた違った押しのためいきなりの事に真夜も若干困惑した。
「お久しぶりです、真夜さん!」
「……久しぶり」
続いて空と陸も挨拶をする。
「ああ、久しぶりだな。二人も変わらずか」
一応、この三人は従姉妹ということもあり、それなりに付き合いはあったし、割と海には残念な子扱いされていたが、それでもなんやかんやで修行には付き合ってくれた。
もっとも天然ぎみなので、昔はこんな事も出来ないんですかとか、そんなことでは真昼には到底敵いませんよとか、普通に言われた記憶がある。悪意も無く本人は善意から来る言葉だったのだろうが当時の真夜としては悔しい思いでいっぱいだった。
空と陸に関してはそこまででもない。ただ自分が得ることが出来なかった守護霊獣をこの二人があっさりと手にした時は嫉妬心が芽生えた。
真夜もその後、大人げない態度を取ったこともあり、落ちこぼれと言う事も在り、陸はあまり快く思ってない所はあるのはわかっている。逆に空はそんなこと気にしない感じで真夜に接していた記憶がある。
(俺も星守にいる間はすさんでたし、対応も悪かったからな)
あの頃の真夜は精神的に余裕など一切無かったため、自分が持っていなかった物を持っていた真昼だけでなく、従姉妹達にも嫉妬した。
星守の宗家でなぜ自分だけが違うのか。自分だけが落ちこぼれなのかと。守護霊獣の召喚と契約に失敗してからは特にそれが顕著になり、周囲に当たることも少なくなかった。
従姉妹に対してもくだらない敵愾心を向けることがあった。
そのため、星守での扱いの一部は自分自身の自業自得の面もあったと真夜は思っている。
落ちこぼれが醜い嫉妬心で周囲に当たれば、それだけで印象も悪くなる。
こうして挨拶してくれるだけでもマシだし、真夜も自分の行いを省みなければならない所はある。
「それと前は悪かった。色々と二人には酷い対応をしたこともあったと思う」
真夜は頭を下げる。そこまでキツい対応をした覚えは無いにしても、年下に嫉妬して大人げない態度を取ったことは間違いない。
「そんな! 私達は気にしてませんから! ねっ、陸!」
「……俺も別に気にしてない」
「もう! 何で陸はそんななの!?」
「いや、俺が原因だと思うから、そこまで言う必要も無いぞ。俺にも悪いところはあったからな」
出来れば従姉妹なのだから今後は良好な関係を築いていきたい。強くなったと言って傲慢な態度で敵を作っているようでは話にならない。
「それよりも真夜も少しは腕を上げたようですね。時間があれば私と手合わせしましょう!」
「みんなに真夜が最近努力して強くなっているって話したんだ。この間の火野の方の実績も伝わってるから」
海の言葉に補足するように真昼が真夜に耳打ちする。海としても真夜が実際にどれだけ強くなったのか確認したいようだ。
(俺がどれだけ強くなってて、星守を名乗るのに最低限ふさわしいかどうか見定めたいって事か? いや、海の場合、そんな小難しい考えじゃ無く、単純に俺がどの程度強くなったのか確かめたいだけだろうな)
昔の記憶をたぐり寄せても、この従姉妹は腹芸が得意では無く、真昼にも真っ正面からぶつかる猪タイプだったような気がする。ある意味朱音に近い気質だ。なぜか一瞬、脳裏で朱音が真夜に抗議して怒っている姿が浮かんだが、気のせいだろう。
「ああ。時間があれば頼む」
こちらとしても今の星守の若手で、真昼の次に強いと思われる相手とおぼしき海と手合わせできるのはありがたい。公式な手合わせにすれば、それだけで実力を知れ渡らせる事が出来るのだから。
「ちょっと待ったぁっ! その話、この俺も混ぜてもらおう!」
と、こちらも空気を読まずに参入してくる者がいた。星宮大和だった。
「久しぶりだな、真夜! 海さんの前に俺がお前がどれだけ強くなっているのかを確かめる相手をしてやる!」
腕を組み、仁王立ちする背の低い大和に真夜は微妙な顔をする。隣の真昼は何かを言おうとするが、真夜が手で制した。
「久しぶり。相変わらずのようで何より」
「ふふふ! お前が朱音と一緒に仕事をしているのを聞いたが、どうせ朱音がお前に華を持たせているだけだろう! あいつにふさわしいのはお前なんかじゃ無い! この機会に俺がどれだけお前よりも凄くて朱音にふさわしいのか示す良い機会だ!」
「や、大和っ!」
大和の発言に真昼は慌てて制止しようとすると同時に真夜の方を見る。
「へぇっ……」
笑みを浮かべていた。それはもう、真昼が思わず引くくらいの笑みだった。気配は変わらず、霊符で抑えているのかも知れないが、真昼は大和が真夜の地雷をこれ以上無く踏み抜いたことを察した。
「心配するなって、兄貴。大丈夫だって。無茶なことはしないから」
何に対して心配なくて大丈夫なのか、それと無茶とはどういう意味なのか、真昼はこの場で聞けなかった。
「是非とも証明してくれ。お前との手合わせ、楽しみにしてるから。兄貴、親父の方にもしっかりと話をしておいてくれ。向こうが手合わせをしてくれるって言ってくれてるんだ。断る理由は無いだろ?」
(大和、君はどうしてこう……)
こうなっては真夜も引かないだろう。大和もやる気だ。真昼は大和の冥福をただ祈るしか無い。
他の分家の者達も真夜がどれだけ強くなっても、所詮は落ちこぼれだと思っているのかニヤニヤしている。
海は真夜、頑張るんですよ! と声援を送っているし、空はあわあわするだけ。陸も多少興味があるのか、聞き耳を立てている。
(はぁ、仕方が無い。ここは大和には悪いけど自分で蒔いた種なんだから、どうにかしてもらおうかな)
真昼も大和の事を諦め、せめてもの情けとして真夜が必要以上にやり過ぎないように説得しようと心に決めた。
「皆様方。準備が出来ましたのでお部屋の移動をお願いします」
案内の女中が来たことで、話が中断する。大人達を待たせるのもマズいので急ぎ移動する必要がある。
「真夜、逃げるなよ!」
「ああ、もちろんだ。せいぜい胸を借りさせてもらうさ」
自らの死刑宣告にサインしたも同然の事を言いながら、それにまったく気づかない大和はわはははと大股で他の分家の所に戻っていく。この場合、先に会場入りするのは宗家からと決まっているからだ。
「真夜、大和の事は」
「だから、心配するなって、兄貴。俺もそこまでガキじゃねえから」
確かに精神年齢も高く、大人の対応をする真夜を知っているので、そこまで心配する事もないかもしれないが、朱音や渚関連だと真夜がどういう対応をするのか未知数なので、真昼としては気が気では無い。
「うん。信じてるから」
と、言うしか無い。実際、真夜は激怒してはいないものの、やはりむかついていたのは間違いなかった。
だが……。
「本日より星守一族の末席に加えさせ頂くこととなりました、渚と申します。未だ未熟な若輩者ではございますが、皆様、何卒よろしくお願いいたします」
黒の着物で美しく着飾った渚の姿に、真夜はまた心奪われるのだった。
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