第十六話 事後処理

 

 火野、星守による初の合同での依頼は最終的に真昼、朱音達により達せられたと記録に残ることとなった。


 真夜が朝陽に連絡を入れてしばらく後に、真昼達は外にいる式符使いに連絡を取った。


 また先行して楓が外へと走り、内部の事情を伝え負傷者の救助を要請し、意識を失った七人を外へと搬送する手はずを整えた。


 真夜達は外部との連絡が取れ、内部へと救助部隊が突入するタイミングで、渚と鞍馬を伴い再び隠形の術と鞍馬の幻術を駆使して古墳を脱出し、自分達の痕跡をすべて消して鞍馬にマンションまで送ってもらった。


 密告があった他の六家にも即座に今回の事件の顛末が伝わることになる。


 星守真昼が霊器を発現させ、火野朱音と共に事件を解決した。続報が六家を駆け巡ると、行動に移そうとしていた京極、雷坂は出鼻を挫かれた形になった。


 失態と言えなくも無い今回の事件だが、結局の所は依頼を受けた選抜メンバーが解決したと言うことで対外的にも面目は立った。


 今回の事件は何者かが暗躍し、突入したメンバーを罠に嵌めたと言う背景が浮き彫りになったため、他の六家もあまり強いことは言えない上に、自分達の力で最終的には解決したと言うことで問題視されることは殆ど無かった。


 星守では次期当主と目される真昼が、当主である朝陽と同じように霊器を発現させた事が大きな反響を呼んでいた。


 ただでさえ星守の歴史上類を見ない二体の守護霊獣と契約していた上に、今回はさらに二つの霊器を所持することになった。


 星守の歴史上六人目の霊器の保有者。実際は真夜も所持しているので七人目ではあるのだが、公式には六人目の扱いである。


 次代の星守の当主はもう決まったも同然だと言う評価である。


 今までも一目置かれ、若手最強と言われていたが霊器の顕現でその地位が不動の物へとなった。


 さらに霊器や今回の件での功績を誇示しない謙虚な態度や、朱音の活躍を自分の事以上に主張したことで星守だけでは無く火野にも好印象を与えた。


 真昼としては今回の件は本当に何も出来なかったために、ことさらに評価されるのが辛かったし、申し訳ない気持ちで一杯だったので謙虚も何も事実その通りでしかなかったのだが。


 大和はそんな真昼に対して大変悔しがっていたが、敗北し捕らえられ妖魔にされかけていたのを助けられたのでは文句も言えなかった。星守から参加した信成と早苗も真昼達に感謝した。


「まずは無事で何よりだ、真昼。そしてよくやった」


 星守に戻った後、先代当主であり祖母でもある明乃から直接、労いの言葉をかけられた。


 今、この場には真昼、明乃、朝陽、結衣、楓の五人がいた。先日と同じように上座に朝陽と明乃が座り、真昼達は下座に座っている。


「……はい。ありがとうございます」


 下手なことは言わず、真昼は礼を述べることに留めた。謙遜し大したことをしていないと言うこともしない。誇れることは何一つしていないのだが、あまり謙遜することを言っても不審に思われるからだ。


「本当に真昼ちゃんが無事でよかったわ。あっ、聞いて聞いて、真昼ちゃん! 真夜ちゃんから電話が来たの! それでね、色々と励まされたの! それとね、真昼ちゃんとも仲直りするって言ってたわよ!」


 嬉しそうに話す結衣に真昼は苦笑する。あの後、すぐに真夜は結衣に電話をしたようだ。真昼が無事と言う連絡もその直後に入った事で、結衣の心労の殆どは無くなることになった。


「うん。僕も真夜と仲直りするよ。僕も真夜には色々と謝りたいから」


 すでに謝罪して仲直りしているのだが、まだそれは話すことは出来ない。それでも母を安心させることは出来る。


「いやいや、パパも嬉しいよ。二人が和解してくれるのなら、これほど嬉しいことは無いからね。しかし今回は本当に肝を冷やしたけど、皆が無事で本当によかった」


 朝陽は真夜達が真昼を救出してくれたことに心の底から感謝した。


(鞍馬から詳細を聞いたが、紙一重だったみたいだしね。真夜だけでは無い。渚ちゃんにも個人的にお礼をしなければならないね)


 真夜がいなければ、妖魔化されかけていた者達を治療することは出来なかっただろう。朱音や楓、真昼を助けることも出来なかっただろう。


 しかし鞍馬から話を聞けば、渚がいなければ朱音を含め、数人は手遅れになり間に合わなかった可能性があったらしい。


 黒龍神の件も考えれば、彼女には感謝してもしきれない。


(しかし彼女は優秀だが京極の人間だ。あの子自身、良い子なのは間違いない。けれども楽観は出来ないのが歯がゆいところだ)


 彼女は、朝陽が真夜達の父としてみれば好ましい相手だが、星守の当主としてみれば難しい舵取りをしなければならない相手である。彼女個人ならば問題ないが、その血筋を考えれば楽観的にいられない。


(それともこれを機に京極との協力関係を深めるか? いや、相手がどう動くか分からない以上、下手なことは余計に関係を悪化させかねないかな)


 問題が解決しても、次々に新しい問題が出てくるので朝陽としても頭の痛い話だ。


「……和解の件は追々話せ。……しかしそうだな。確かに兄弟でいがみ合うのは辛いものだ。仲が良いことに越したことは無い」


 ぽつりと明乃が小さく呟いた。その言葉に真昼は微かに反応する。


(お婆様?)

「しかしこのような状況になったというのに、幸いにして死者はいなかった。これも真昼が活躍した結果だ。本当によくやった真昼」


 しかし真昼が疑問を浮かべる前に明乃がしゃべり出したため、頭の片隅に追いやられた。


「……ありがとうございます。ですが僕もまだまだです。これからも精進します」


 真昼はただ祖母のお褒めの言葉に頭を下げる。


 しかしその賞賛がふさわしいのは、祖母が蔑んでいた真夜の方だ。本当ならこの場で祖母に真夜が強くなったことを、自分達を助けてくれたことを、星守の事を考え、自らの手柄を譲ってくれたことを、そのすべてを伝えたかった。


 知ればきっと祖母は真夜に対する評価を改めてくれる。真夜を認めてくれる。自分だけで無く真夜を褒め、賞賛してくれると思った。


 しかし真夜はそれを望んでいない。さりげなく真夜に聞いたが、言葉を濁し黙っていてくれと懇願された。


 真昼は真夜が望むならと、その考えを尊重した。自分が下手なことをして、また真夜の不興を買いたくは無かったのもあるが、本人が秘密にして欲しいと言っている事を自分が話してはいけないと思ったからだ。


 だがこのまま何もしないつもりは無い。真昼はそんな真夜に対して、兄としてこれから自分に出来るすべてのことをしようと考えた。


(僕も強くなって今度は……、今度こそは僕が真夜を助けられるようになるんだ)


 真夜が助けを求める場面はあまり想像が出来ないが、もしそんな状況になれば今のままでは力不足だ。かつて以上に強くなる努力を行うと誓う。真昼は今まで以上の闘志をその身に宿していた。


(真実を知ってから僕は強くなることを、この力を使うことを拒絶し、嫌悪していた。でも今は違う。この力があっても、もっともっと努力しないと真夜には追いつけない)


 操られていたとは言え、強化された自分を大した苦戦も無く無力化した真夜。弟はあの時点で、九人もの大人数を治療し、浄化し保護までしていた。消耗もかなりあったはずなのに、それを差し引いても真昼を圧倒した。


 さらに自身の守護霊獣二体を圧倒する、漆黒の堕天使を守護霊獣としている。その事を思い出し、ぶるりと身体が震える。何があったのか分からないが、信じられないほどの強さを身につけていた真夜。


 その力は最強の退魔師である父を凌駕するのでは無いかとまで思える。その存在に追いつくには並大抵のことでは無い。真夜から得た力をすべて駆使しても届かないかもしれない。


 それでも追いかける。追いつくのでは無い。追い越すのだ。真夜の兄として誇らしいと思ってもらえるように、弟に失望されないために。弟の助けになれるように。


「お婆様、父さん、母さん。僕はこれから一層の努力をします。今回のように、皆に心配をかけないようにもっと強くなります。ですから、これからもご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願いします。楓もこんな僕だけどこれからも宜しくね」


 三人に頭を下げると、今度は楓にも頭を下げる。


「……はい」


 楓は何か言いたそうだったが、この場での言及を避け同じように頭を下げる。


「真昼。今後もより精進しなさい。朝陽、後は頼む。私はこれから他の伝との会談がある。今回の黒幕に関しても少々気になることがあるからな」

「……わかりました。お気を付けて」

「ふん。誰に物を言っている朝陽。結衣、付いてきなさい。お前にもこの手の伝を活用してもらわなければならないからな」

「はい。ご一緒させてください、御義母様。じゃあ朝陽さん、真昼ちゃん、楓ちゃん。私も行ってきますね。あっ、真昼ちゃんは帰ってきたら真夜ちゃんのことでお話ししましょうね! もちろん朝陽さんも!」

「うん。行ってらっしゃい、母さん」

「母様もママも気をつけてね」

「はーい! じゃあ行きましょうか、御義母様」

「はあ。お前ももう少し落ち着きを持ちなさい」


 明乃はため息をつきながら、結衣を伴い部屋を後にする。


「……今回の件は本当に危なかったね、真昼。鞍馬から事のあらましは聞いているよ」


 朝陽は二人が部屋から十分に離れたことを確認すると、自分達を中心に簡易結界を展開して声が外に漏れないようにしてから、真昼にそう切り出した。


「真夜に助けられました。僕は何も出来ず、ただ皆に迷惑をかけてしまいました」


 朝陽の言葉に苦笑しながら、己の不甲斐なさを吐露する。


「確かに下手をすれば全員が最悪の事態になっていた事を考えれば、真昼がそう思うのも仕方が無いかもしれないが、あまり自分を責めるのはやめなさい。これは真昼一人の責任ではない」


 落ち込む真昼に朝陽は優しく諭す。


「それにしても真ちゃんには本当に感謝だね。私の方からもまたお礼を言っておくよ」

「はい、お願いします、父さん。後真夜のことなんだけど、父さんも最近、真夜が強くなったって言うのを知ったって聞いたけど」

「本当だよ。この間、真夜が朱音ちゃんや京極の子と妖術師を倒したって話を聞いた後にね。私自身も驚いているよ。真夜は本当に強くなった。………そして真昼の力についても聞いているよ」


 その言葉に真昼の表情が若干曇る。


「父さん。僕は……!」


 悲痛な叫びを上げる真昼に近づくと、朝陽は彼の肩に手を置いた。


「辛かったね、真昼。はは、本当は抱きしめてあげるのが良いかもしれないけど、それはママにしてもらうとしよう。今はパパで我慢して欲しいな」

「とう、さん……」

「すまなかった。私がもっと早くに気づいていれば、真昼も、真夜も苦しまずに済んだはずだ」

「違う…。全部僕が……」

「もう自分を責めて苦しめるのはやめなさい。真夜にも許してもらったんだろう? それに真夜にも言われたんだろう? それは真昼の我が儘だと」


 朝陽は鞍馬天狗からすべてを聞いている。真夜が知った以上、鞍馬天狗も朝陽に隠し立てする必要は無いと考えたからだ。


「私も当然ママもこれ以上、真昼を責めるつもりは無い。母様にしても、真昼をそこまで責めはしないはずだよ。それと楓ちゃんもありがとう。秘密の共有を君としていたから、すべてを一人で抱え込んでいない分、真昼は少しは辛さから逃れられていたのかな? ありがとう、私達の息子を支えていてくれて」


 優しい笑みを浮かべながら、朝陽は楓に感謝を述べる。


「いえ! 私の方こそ申し訳ございませんでした! 本来であれば、朝陽様達にお伝えしなければならない重大な事実を私の一存で秘密にしていました! もし朝陽様達に相談していれば、真昼様はこれほどまでは苦しまず、また真夜殿とも争わずに済んだはずです! 私は真昼様のパートナー失格です。如何様な処分も受け入れます!」


 額を畳に擦りつけ、楓は朝陽に謝罪を述べた。


「違う! 父さん! 楓には僕が頼んだんだ! 誰にも言わないでくれって! だから!」

「ふむ。そうなのか、真昼。楓ちゃん、確かに事が事だけに君の言葉も尤もだ。下手をすれば星守が揺らぐ大事になっていただろう。しかし君や真昼の懸念も分かる。結果論だが、以前の星守にいた時の真夜にこの事実を伝えていれば、間違いなく二人の仲は修復不可能なほどに破綻していただろう」


 真夜本人も言っていたとおり、異世界から帰還する前の真夜ならば兄へを憎悪をより一層募らせていただろう。


 朝陽も真夜の実力を知る前にこの事実を知っていれば、確実に真夜には伝えなかったはずだ。


「今の真夜だからこそ受け止め、受け入れることが出来た。そして乗り越えた。私はそんな真夜を誇りに思う。それに真昼もね」


 朝陽はそう言うと真昼の頭を撫でた。


「まだまだ子供だと思っていたけど、子供と言うのは親の想像以上の速さで大人になるんだね」

「……僕はまだまだ未熟な子供です。その言葉は真夜にこそふさわしいと思います。真夜の兄として情けない限りです」

「そうとは言えないよ、真昼。真昼は今、自分の弱さを自覚し受け入れた。そして強くなる決意をした。真夜だけでは無く、真昼も一つの壁を乗り越えたと私は思うよ」

「そうでしょうか?」

「ああ。だからこそ私は楽しみにしているんだ。二人のこれからの更なる成長をね」


 真昼はこれから信じられないくらいの成長を遂げるだろう。そんな確信が朝陽にはあった。真夜に関してはすでに完成に近づいているとも感じられたが、本人もまだまだ強くなると宣言している。


 朝陽には真昼だけでなく、真夜の底もまだ見えずにいた。


(本当に二人のこれからが楽しみだよ)


 和解したことでお互いを認め競い合うよき関係になれる。だからこそ自然と朝陽も顔をほころばせることが出来る。


「けど私もまだまだ二人に負けるつもりは無いからね。パパも凄いって所を見せるから」


 茶目っ気のある笑みで宣言する朝陽に真昼は苦笑した。


「それと先ほどの話だけど、私は二人のパートナー関係を解消する気も無い。公式には二人と朱音ちゃんが今回の事件解決の立役者なんだ。その二人のパートナー解消となると、余計な勘ぐりをされる可能性もある」


 だからパートナーの解消はしない。ただしと朝陽は続ける。


「だが当主としては今回の事を秘密にした事への罰を与えなければならない。楓ちゃんには真昼と共に私から私用の仕事を与える。まあそれなりに面倒な仕事なので、それをこなすように。無論、これには報酬は発生しないただ働きだ。いいね?」


 下手な事をさせても周囲から疑問視されるので、朝陽としてはできる限り穏便に済ませようと考えた。一切罰を与えないのは当主として問題だし、楓も納得しないだろう。


「真昼も連帯責任だ」

「はい。勿論です」

「承知致しました、朝陽様」

「よろしい。さて、それじゃあ私も少し出かけてくるよ。火野の方にも顔を見せないといけないからね」


 朝陽はそう言うと立ち上がり、下手を後にする。


(これで星守は問題ない。しかし火野は少し荒れるだろうね)


 内心でそう思いながら、朝陽は友人である火野紅也の苦労を察するのだった。



 ◆◆◆



 火野一族内では今回の事件解決を受けて、朱音の評価はさらに高い物になった。


 彼女の活躍が無ければ、星守だけに手柄を持って行かれたと、六家の中ではその権威を著しく落とすことになっただろう。


 当主の二人の子供が活躍らしい活躍が出来なかったが、それでも宗家の一員である朱音の活躍で面目が立った。


 真昼も全く活躍していなかった自分よりも周防の大蟆を倒した朱音を褒め称えたことで、余計に火野での評価が上がることになった。


 火織や赤司も従姉妹の活躍を誇りに思い、助けられたことに感謝した。


「朱音ちゃん! 改めて今回の事は本当にありがとう! それとごめんね、何も出来ずに」

「……すまない。全部を任せてしまった」


 事件が事件だけに、火野の本家へと一時的に帰参した朱音達は、本邸の一室でくつろいでいた。勇助や剛はこの場にはおらず、それぞれに当主や親である分家の当主に話をしに行っている。


「気にしなくて良いわよ。それに皆が無事でよかったわ」


 朱音としても自分も助けられた身ではあるし、その礼は真夜達に言って欲しいのだが、公にすることが出来ないため仕方なく受け取るしか無い。


「でもボクも朱音ちゃんや真昼君の活躍を見たかったな! あんな特級や上級妖魔の集団を倒すなんて! ああっ、ボクももっと修行して強くならないと!」

「……そう、だな。俺も、強くなる」


 火織も赤司も自らの不甲斐なさに反省し、さらに強くなる事を決意する。特に赤司は現当主の息子であり、次期当主候補の一人でもあるのだ。何も出来なかったことがことさら悔しいのだろう。


「あたしも悔しい思いをしたのは事実よ。だからあたしも二人に負けないように強くなるわね」

「朱音ちゃんは活躍したから良いじゃないか。ボクもお兄様も今回の件で何も出来なかったから肩身が狭いよ」

「まあ気にしても仕方がないんじゃない? この騒動もすぐに収まるわよ」


 朱音は自分が火野でどのような立場にいるかは理解しているつもりだった。クォーターと言うことで、火野の中では腫れ物扱い。昔と違って今は実力が伴ってきているので、そこそこの扱いをされているが今回の件で面倒な事になるなとため息をついた。


(どうせあたしは実力があっても当主にはなれないでしょうし、興味もないけど周りに騒がれるのは嫌ね)


 退魔師の一族と言うのは血筋を重んじる傾向にある。朱音の父と母が結婚するまでもそれはもう苦難の道があったと言う。


 朱音の父が当主でなかったことや先に兄である現当主が結婚し、跡継ぎである赤司が生まれていたこともあり最終的には許されたが、いくら退魔師として優れていても異人の血が流れる人間を歴史ある一族のトップには据えたくは無いと言う考えの人間が大勢いる。


 しかしそれでも実力者が一族のトップになるべきだと考える人間も一定数いるので、余計な火種になりかねないのだ。


 もしくは他家との繋がりを強化するために、どこかの一族の有力な退魔師と婚姻関係を結ぶために見合いの様なことを進められるかも知れない。


 現在では退魔師の中でも自由恋愛が増えているが、一族内での力を維持するため内部での結婚が当たり前で、四、五十年前でも十八歳になればそのまま婚約・結婚が一般的だった。


 その風習は今でも一部残っており、今の朱音ならば婚姻を結びたいと思う退魔師は少なくないだろう。


(ほんと、早くあっちに帰りたい)


 面倒事は極力避けたいと思いながら、朱音はしばらくの間、久方ぶりの従姉妹達との会話に華を咲かせるのだった。


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