違うご主人様
全員が解散した後、さっき名前を呼ばれた三人と僕、ライオットさんだけが残っていた。
「さて、今から俺と戦うわけだがお前ら今のままじゃ結構きついだろ?」
ライオットさんが三人の顔を見てそんなことを言った。
「…いえ、そんなことは…」
「問題ないです~」
「…大丈夫」
ソフィさんと他の二人は『全然大丈夫』といった風にそれぞれ返事をしたけど、僕から見ても三人には疲労の色が見えた。
さっきの模擬戦で一人二戦はしているのだから仕方はないと思う。
「まあ、そう言うだろうとは思ったが今のお前らとやっても俺だとケガさせるだけだからな今から二時間は休憩だ。わかったな?」
三人も今のコンディションではだめだと分かったからか素直に休憩を始めた。
ソフィさんは食堂に行って追加のご飯を、ラテさんは軽く水分を取ってから日当たりのいいところに寝転んで昼寝を始めた。
「ライオット前団長」
「何だ?レティ」
そんな中、一人レティさんは日陰で休憩しているライオットさんに声をかけていた。
「団長、ユート君を借りてもよいですか?」
近くに控えていた僕を指さしてレティさんはそういった。
「ああ、いいぞ」
朝、言った通りにライオットさんはレティさんに僕の『使用許可』を出した。
「じゃあ、来てもらおうかしら?」
「はい、わかりました」
歩いていくレティさんの後をついていくと、いつもソフィさんにマッサージを行っている仮眠室についた。
「中に入って?」
「はい」
言われたとおりに中に入ると後ろでガチャ、と鍵のかかる音とともにレティさんが怪しげな笑みを浮かべてドアの前に立っていた。
「え?」
「さて、何をしてもらおうかしら?」
「まあ、時間はあるわけだしとりあえず服を脱がして?」
さっきまでの優しい雰囲気とは真反対の怖い雰囲気をまとったレティさんに僕はあっけにとられた。
そのまま僕が動けないでいるとレティさんがこっちの方に振り向き、次の瞬間僕のお腹に強い痛みが走った。
「カ、ハッ……」
お腹が痛くて、床にうずくまる僕をレティさんは笑いながらタイツを吐いた足で踏みつける。
「ほら、今のご主人様は私でしょ?」
「……は、はい」
「次はもっとシちゃうからね」
お腹の痛みを我慢して、立ってレティさんの服を脱がしていく。
「ほら、全部よ」
上着を脱がし終えても、その命令は終わらなかった。
「やけに手慣れてるじゃない。気に食わないわね」
レティさんの上半身の衣類を脱がし終えるとレティさんはうつ伏せにベッドに寝転んで僕に次の命令をだした。
「次はマッサージね?」
早く終わらせるために気づかれない程度に回復魔法をかけてマッサージをしていくと、嬌声にもとれるような声が聞こえてきた。
「ん……あぁ……」
「下も、お願い」
言われたとおり僕がタイツの上からマッサージをすると、僕の顔にレティさんの手のひらが迫った。
パン、という切れのいい音とともにひりひりと僕の頬が痛む。
「脱がして」
「……わかり、ました」
レティさんの足のタイツを脱がせて、さっきの同じ手順でマッサージをつづけた。
「ほら、全部よ」
言われた通りに下半身全体をまんべんなくしていった。
「もう、いいわ」
吐息を漏らしながら、顔を赤くしたレティさんはまだ僕を離してはくれないようだった。
「ふふふ、次はお風呂ね」
「……それは」
もう、いやだった。わがままを言ってここに来た僕だけどこれを許せば、エリーとの距離が広がってしまいそうで体より心の方が痛かった。
「まだ、そんなことを言うのね…」
「……!!」
うつむいた僕の顔を無理やりあげられ、僕の眼前にはレティさんの顔があった。
「…んん!!」
キスした状態から、レティさんに舌で無理やり口をこじ開けられて何かを口の中に入れられた感触があった。
「上手なのね」
口と口の間に引かれた糸が切れる前に僕の体は動かなくなった。
「後、二時間ってとこかしら?楽しませてもらうわね……」
苦しい時間はまだ始まったばかりだった。
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