第4話 好きでなにが悪い?

「隼人、お風呂入ってきていいよ」


 二人で私が作ったオムライスを食べ終え、私は隼人にそう言った。

 

「いつもいつも悪いな」

「ううん。あっ、食器、そのままで大丈夫……」

「わかった」


 隼人はそう言うと、お風呂場へと向かっていった。


 よしよし、お風呂場に行ったなあ……。


 念のため、しっかり周りに人がいないことを確認した後に私は隼人が使ったスプーンを手に取り。


「いただきます」


 口に入れた。


 そして、口の中でスプーンを転がす。


 口の中にはチキンライスの味が広がっていく。

 ううん、チキンライスじゃなくて、隼人の味が広がっていく。


 ああ、私ってなんてだ変態なんだろう!

 でも、隼人が好きなんだもん。

 したないじゃん。

 隼人が私のことを好きじゃないことぐらい知ってる。

 だから、こうやって満足するしかない。

 

「隼人、隼人、隼人、隼人……♡」


 隼人が私のこと好きじゃないから、きっと私以外の女の子と付き合って、セックスをするんだろう。

 絶対に避けては通らないことである。

 そもそも、幼馴染なんて負けポジションなわけだし……。

 うーん!


「隼人が私以外の子を好きになって私以外の子とセックスなんてシちゃったら、私死んじゃうなあ……あっ、そっか」


 いいことを思いついてしまった。

 多分、そうなったら私は自殺するだろうし、その時はその子を殺して私も死ぬとしよう!


「天才、私!」


 こんなにいろいろとアピールしているというのに、私をきっと家族として見ている。

 私は異性として見てるのに……。

 中学生の時からオナニーをする際は隼人の写真か妄想だというのに。

 なぜ、この愛が伝わらないのだろう。


「……隼人に愛されたら愛されたらで狂っちゃいそうだけど」


 ううん。


「あっ、こんなこと考えてる時点で私って愛で狂ってるのか♡」



「……お風呂、私もここで入ってくことにするね」


 お風呂から上がってきた隼人に私はそう言う。

 元からその気だったため、着替えを持ってきている。

 理由は隼人の細胞入りのお風呂に浸かりたいからだ。


「はっ? 家隣じゃんか」

「ダメなの?」


 私は上目遣いで隼人を見る。


 もう、狂っちゃうくらいに好き!


「いや、ダメってわけじゃないけどさ」

「なら、入る」

「わかった」


 こうして、私は脱衣場にやってきたわけだ。

 すぐさま、隼人の今日履いていたパンツを洗濯機から取り出して、家から持ってきた新品の同じパンツと入れ替え。


 ゴクリ、と唾を飲み込んだ後に、頭に被った。


「隼人の香り……♡」


 ジッパーに入れ、しっかり保存して、お風呂場に入る。


 数分前まで隼人は今の私と同じように裸だったんだ……♡。

 実質、見せ合い。

 お風呂場大好き!


 身体を洗い、私は湯船に浸かる。


「じゃあ、隼人。あなたの細胞を飲ませてもらいますね」


 そして、口元まで浸けて飲み始めた。


 お湯の味がする。

 隠し味に隼人の細胞だけど、味はしない。

 ただ、興奮するだけだ。


 隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人隼人♡。


 しばらく、胃の中に隼人の細胞を入れた後に。


「興奮してきたあ……♡」


 私は下腹部に右手をやり、片手で胸部をいじり始めた。


 隼人と付き合えば、隼人から直接細胞を摂取することもできるし、一人でこんなことしなくても隼人がシてくれるのに。

 なんで、幼馴染という枠で私が存在してしまったのだろうか。

 ああ、隼人に愛されたいなあ。


───────────────────────


幼馴染ちゃん、めちゃくちゃ狂ってますね笑

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