第2話 シてしまった放課後

 俺の上に跨っている黒宮さんが口元から離れた。


 俺は顔をりんごのように真っ赤にして。


「く、黒宮さん!?」


 慌てながらそう言った。


 キスしてしまった。

 あの黒宮静香と。

 それもディープキスだ。

 舌が口の中に入ってきた。

 

「浮気の現場、ヤってたんですよ……」

「え?」


 ヤってた……?


 先ほどのキスで頭がボワっとしていても、その意味が一瞬にしてわかった。


「たまたま教室でシてるの見ちゃったんです……彼氏が私の幼馴染とシてる現場を……」


 おいおい、教室でするというのもまたすごいのに、それだけでなく幼馴染と。

 神崎桜さんとシただなんて。

 すごい話だ。


「私とはキスしかしてないのに……二人を信じてたのに、二人とも私を裏切ったんです」


 止んでいた涙がまた、溢れ出した。


 ポロポロと大粒の涙が頬をつたって俺の制服に落ちる。


 他人事なことぐらいわかっている。

 けれど、彼女がとんでもないほどに傷ついていることが、彼女の心に大きな穴が空いていることがわかる。

 こんなことってあるのかよ……。

 なんて可哀想なんだ。


「二人を殺そうと思いました、けれど、二人を殺せないです……」


 涙と鼻水で黒宮さんの顔面がぐちゃぐちゃになっていく。


「だって、二人は私の大事な、大事な人だから! だから、私が死んでしまおうって……」


 こんな優しい人を差し置いて彼女の親友とヤるとか、佐藤光太郎、なんてやつなんだ。

 一発、ぶん殴りたい。

 そのイケメン顔をぐちゃぐちゃにしてやりたい。


「でも、あなたは私を自殺から助けました……」


 はあはあ、と黒宮さんの息が荒くなっている気がする。


 一体どうしたのだろうか。


「責任取ってください」

「責任、わかった取るよ。具体的には何をすればいいんだ?」


 黒宮さんは口から涎を垂らして言った。


「セックスです」

「……は?」


 彼女のそのセリフを理解するのに数秒かかった。

 というか、まず最初に涎の方に意識がいってしまった。


 突如、スカートを脱ぎ出した黒宮さん。


「私って変態ですよね」


 見てはいけない、そんなことわかっているというのに性欲というものは恐ろしいもので、気づけば黒宮さんのスカートの中を見ていた。

 黒いパンツが濡れているのが見てわかってしまった。


 ドキドキ、と心臓がうるさく鳴り始める。


「彼氏と親友がシてた現場を見て興奮しちゃってるんです……今も」


 だからさきほどいきなりキスしてきたのか。


「どんどんと体液が出るんです……ああ、私ってなんて変態なんてしょう……」


 どんどんと濡れていくパンツを凝視していることに気づき、慌てて黒宮さんの顔を見ると、完全にとろけたメス顔になっていた。


 あ、これやばいやつだ……。


「おおお、俺、ゴムないぞ!?」


 下腹部に手をやり、パンツを脱ぎ始める黒宮さん。


 ああ、やっばい。


 どんどんと下腹部に血が集まってきているのがわかる。

 

「私もないです……直前に外に出せばいいじゃないですか……」

「いや、待ってくれ。俺なんかでいいんですか、考え直した方が……」

「なんでですか、あなたが私を死から遠ざけた張本人なんですよ? 責任取ってくださいよ……私を自殺から遠ざけたことに!」

「責任って……」


 パンツを脱ぎ終え、その場に置くと黒宮さんは俺のベルトを外し始めた。


「ほら、私の初めてになってください……」


 初めて……黒宮さんの初めてを?

 俺の初めてが初めての黒宮さん。


 想像するとどんどんと下腹部が興奮していく。


「……あなただって、大きくなってるじゃないですか……」

「本当に俺でいいんだな?」

「はい♡」


 もうどうにでもなりやがれ!


「黒宮さん、あとは自分でやります」


 そう思い、俺は自分でズボンを脱ぎ、パンツを脱いだ。


「じゃあ、挿れますよ……」

「うん……♡」


 そして、俺は黒宮さんの中に挿れた。

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