第4話 ようこそOZへ
慰霊祭を遠目で見ながら、俺と舞とドロシーは話をしていた。
「私達の世界とは別のもう一つの世界が存在するわ。私達のギルドはそこにある」
「もう一つの世界、異世界ってことですか?」
今流行りの異世界転生? いや、実際は死んでないから異世界転移か。
「まあ、そういうことになるわ」
ドロシーは鍵を出し「ゲートオープン」と唱えた。
すると、空間がねじ曲がり、異世界への扉が開いた。
「さあ、入って」
俺は異世界に足を踏み入れた。
二人に連れられて来た先には、一台のキャンピングカーが停まっていた。
「ようこそ、OZ(オズ)へ」
キャンピングカーの中に入ると、中身と外身が全然合っていなくて驚いた。
二階建ての広い建物になっており、ホテルのように客室がそれぞれ存在する造りになっていた。
「おかえりなさい、ドロシー!」
小学生くらいの女子がドロシーに駆け寄って来る。
「ただいま、ホタル」
ドロシーはギルドの皆をキッと見据えて、言った。
「悲しい報告があるわ」
ドロシーの声に皆が静まり返る。
「アカツキが死んだ」
アカツキさんの葬式は、その日の内に営まれた。
遺体も墓場もないので、広間にアカツキさんの写真が飾られ、供え物がなされている。
ほとんど皆、泣いており、アカツキさんの人格の高さが窺われた。
「しんみりしているところ申し訳ないのだけれど、新しく入った子を紹介するわ」
そう言われて、ドロシーの横にいた俺に注目が集まる。
「自己紹介してもらえる?」
「鳴子トキヤです。えっと……」
異世界式自己紹介、一体何を言えばいいのか。
「トキヤはアカツキの死に目に会っているの。アカツキの能力の継承者よ」
それを聞いて、また、どよめきが起こる。
「皆、仲良くしてあげてね」
ドロシーの言葉を聞いて「おう、よろしくな、新入り!」などの言葉が飛び交う。
夕飯は皆に囲まれて食べた。
そこで自己紹介やらアカツキさんのことやらを聞かれ、答えていた。
ギルド内で、俺には空き部屋が与えられた。そこで寝泊りするように、とのことだ。
俺は最近起きた怒涛の出来事を思いながら、眠りについた。
OZ 夢水 四季 @shiki-yumemizu
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