第23話 第2ダンジョンの不安

朝食を食べた私は、第2ダンジョンへと向かう。途中で荷物を積んだトラックが通る。


「清美ちゃん。乗ってくかい」


と聞かれたので便乗させてもらうことにした。せっかく限りあるガソリンを使っているのだからもったいない精神が出てしまったのだ。


第2ダンジョンへ着いたとき、ドワーフたちは驚いていた。


「なんじゃ?このヘンテコな乗り物は?」


という感じで。私は詳しいことは分からなかったが。


「ガソリンという燃料を使って動く移動用の道具よ」


と言うと、納得したようなしていないような、どうにも不安げな顔をしていた。


「それよりも、私たち人間の中にも大工と言って家を建てるような仕事をしている人がいるんだけど、今回の砦建設を手伝いたいそうよ。もちろんあなたたちみたいに力が強いわけでもないけれど、足場を組んだりはできるそうだから手伝わせてあげて」


「足場とはなんじゃ?」


ドワーフたちは首を傾げている。私たちも首を傾げる。


「あなたたちはどうやって砦を作ろうとしていたの?」


「そりゃ。魔法を使って基礎を作り、そこに鉱物を鍛えたものと置き換えていくのよ」


「この世界でも魔法は使えるの?」


私は工事の方法なんて全く知らなかったので気にならなかったが、魔法という単語には反応してしまった。


「魔力があれば使えるじゃろ。ほれ。こんな風にってあれ?威力が低いのぅ」


「これはあれじゃの。空気中の魔素が少ないから魔力を作れずにうまく魔法が使えんのじゃろ」


「ああ。なるほど。って工事が進まなくなるじゃないか。こりゃいかん。清美嬢。人手が大量に必要じゃ」


「ごめん。そんなに人手はないの。もう少し人数は集まるけれど数十人は集まらないわ」


「そうか。う~ん。気は乗らんがハーフリンクたちにエルフを紹介してもらってきてくれんか?奴らは体内に魔力を宿すから魔素が少ないこの世界でも魔法をいくらかは使えるじゃろ。対価としては野菜を渡すしかないのぅ」


そんな話をしている間にも、数人のドワーフは手を動かしている。そのわけはオークが数匹ずつダンジョンからあふれ出ているからだ。今はピクシーとウルフの連携で簡単に倒せているがこれがもっと増えると危うい。


そのため、一刻も早く砦が必要だと焦っているところだ。


私はあまり詳しい工事の計画を聞かされることなく、ガルフ戦士長に連れられて第1ダンジョンに行くことになった。


もちろん、倒したオークはガルフ戦士長が台車で運んでいる。私はここまで焦る必要があるのかと疑問に思いながらも第1ダンジョンへと走る。

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