第11話 成長と2つ目のダンジョン
種をまいた次の日、ダンジョンへ行き畑の様子を見てみるとすでに二十日大根が花を咲かせていた。その周りにはピクシーたちが集まっており蜜を吸っているようだ。
私は早すぎる成長に口をあんぐり開けて立ち尽くしていると子供のウルフたちが私にすり寄ってきていた。
「リン君。この野菜育つのに20日はかかるはずなんだけどなんでもう収穫期過ぎて花を咲かせているの?」
私はウルフと一緒に近くに来ていたリン君へ尋ねた。すると、
「昨日種をまいた後にピクシーたちがやってきて、蜜はまだかとねだられたので協力して植物魔法を使い急成長させちゃいました」
「それはいいんだけど、土地は大丈夫なの?栄養分とか?」
「大丈夫と自信を持っては言えないですけれど骨粉や腐葉土を混ぜているところです。堆肥を作る場所も作ったのでそう簡単には栄養が不足することはないと思います。土地も広いですし・・・」
「大丈夫ならむしろありがたいことなんだけど、なんだか釈然としないな~」
「ところで清美さん。ピクシーたちから苦情が来ていまして・・・。花を咲かせてほしいと。作物の蜜じゃ味がいまいちだと言っていまして種をお願いできませんか?」
「ああ・・・うん。次くるときに貰ってくるね」
「よろしくお願いします」
私はいいことなのだが不思議な光景に一時その場を動けずにいた。その間に次は何をしようかと考えていたのだが、不思議ともう一つあるというダンジョンの状況が気になった。
「リン君。また質問なんだけどウルフたちってダンジョンから外に出られる?」
「出られますよ。むしろ魔力が飽和状態になると自然に外に出るようになります。ここでは畑に魔力を注ぐようにしますので魔力が飽和することは無いようにしますが」
私は【ここは】という部分に引っかかりを覚えたので、ウルフを5匹連れてもう一つのダンジョンへ向かうことにした。
と意気込んだのはいいのだがダンジョンの場所を知らなかったので町役場で情報を収集する。その間外でウルフたちには待ってもらっていたのだが、お年寄りたちのアイドルとなっていたのはご愛敬だろう。
そして、第2のダンジョンへ行ったのだが、入口にイノシシの死体が転がっていた。ところどころ食べられている。私は魔物が外に出たことを危惧してウルフににおいをかいで追ってもらおうとしたのだが。
既に目の前には2mほどの大きさの豚のような魔物が佇んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます