第5話 友達の輪
「えっ」
私は思わず声をあげてしまった。それに反応してか手をつないでいた子狼がビクッと反応する。
「ああ。ごめんね。驚かせちゃったね」
私がそういうと子狼は落ち着いた様子だった。
「で、そんなに驚いてどうしたんだ?」
兄が心配そうに私に話しかける。
「私ね。この子と何かつながりを得たみたいだったからステータスを開いて確認をしてみたの。そしたら、ウルフ6匹がテイムできていたみたいで驚いちゃった」
その言葉にちっこいのが反応する。
「人間さんは他のウルフ達に触れたのですか?こちらを警戒しているようだったので危険でしたでしょう」
「それが、触れたのはこの子だけで他のウルフには一切触れてないの」
「失礼ですがスキルをお聞きしても構いませんか?」
「【友達の輪】っていうスキルだけなんだけど」
「おそらくユニークスキルですね。名前から察するにそのスキルが原因かと思います。テイムスキルを持たずにテイムはできないはずなので」
そんな話をしていると残っていた3匹の子狼が近くまでやってきていた。親はこちらに来る子狼を止めるそぶりを見せない。今までではありえない光景だ。
「おそらくテイムした魔物の仲間を一緒にテイムする能力かと思われます。効果は見ての通りですね。しかしすごい力です」
私が首をかしげると、子狼たちも真似して首をかしげた。
ちっこいのは笑いながらも説明してくれた。
「仲間を自動でテイムして行くということはこの子たちが群れに加わったりすると自動的に群れの仲間をテイムできるかもしれないということです。それに群れだと危険な魔物も1匹テイムできればいいわけですから危険も少なくなります」
「私、そんなにテイムできても面倒みきれないんだけど」
「私たちハーフリンク一族も手伝いますよ。ウルフの脅威が少なくなるだけで私たちにとってはとてもありがたいので」
私は早速甘えることにしてウルフ一家を預け、家に帰ることにした。明日は島中の個人商店から家庭菜園用の種を分けてもらうつもりだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます