おい、相棒
樹村 連
おい、相棒
AとBは衣食住に恵まれない、健康的で文化的な最低限度の生活を送れない人民だった。ボロボロの服を纏い、財産も手荷物もない。今まで住んでいた駅前のゴミ捨て場を役所の人間によって追い出され、本格的に路頭に迷った。
「おい、相棒。もしお前が一万円札を千枚拾ったらどうする?」
Bがいきなり、共に歩いているAに話しかけた。
「一万円札が千枚といったら、1000万円の大金。それを持って居酒屋にいって、酒を浴びるほど飲んでどんちゃん騒ぐ」
Aは陰鬱な症状から一転、夢溢れた表情でそう述べた。
「そうかそうか。そういうお前は友達が1人もいない。だからせめてその金の半分は俺にくれてもよかろう」
「何をっ、友達がいねえだと。俺が拾った金をどう使おうとお前の知った事か!」
「何だと、けち!」
「この野郎、よくも言ったな。勘弁ならん」
実際に金を拾ってもいないのに、AとBは大喧嘩を始めてしまった。
おい、相棒 樹村 連 @dotrine
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