第487話 王道と甘み

 様々な食材を使いつつも、比較的軽く食べられる料理サンドウィッチ。

 メニューを決定した冨岡は、鍋に水を張ってお湯を沸かす。


「まずは定番のタマゴサンド。ゆで卵を作ってマヨネーズと合え、胡椒で味を整える。シンプルだけど飽きない、王道のサンドウィッチだ」


 ゆで卵を作りつつ、食パンの耳を包丁で落とす。そのまま冨岡は冷蔵庫からハムとレタス、きゅうりを取り出した。


「王道といえば、ハムレタスサンドも外せないよな。色味も綺麗だし、気軽に野菜を摂れる」


 続いて豚肉。どんな料理にでも使えそうな大きさのものを贅沢に切り分け、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて油で揚げる。

 その間にソースとマヨネーズを用意し、軽く混ぜ合わせた。


「個人的にサンドウィッチの王様は、やっぱりカツサンドなんだよな。軽食の枠を悠々と超え、メイン料理になり得る。味も食べ応えも最高の一品。こうなってくると、色んな種類を並べたくなるな。あ、そうだ。確か缶詰の中に・・・・・・」


 食材の棚を探るとツナ缶を取り出す冨岡。


「好みは分かれるけど、ツナサンドもいい。ツナ缶の油を切って、マヨネーズと合わせる。少しめんつゆを加えると味が深くなってさらに美味しくなるんだよな。さっき用意したきゅうりを薄切りにして、断面が綺麗になるように食パンで挟む。火を使わないお手軽さはありがたい」


 タマゴサンド、ハムレタスサンド、カツサンド、ツナサンド。四種類のサンドイッチを同時に作りながら、冨岡は考える。


「せっかくだし、甘いサンドウィッチも作るか。今やフルーツサンドは、鉄板のスイーツだしな。料理用に生クリームもあるし、フルーツもイチゴとマンゴーがあったはず。せっかくホイップクリームを作るなら、多めに作ってあんホイップサンドも作っておこうかな。餡子とホイップ、和と洋だけど最高の組み合わせだし」


 こうして一人、冨岡は六種類のサンドウィッチを作る。

 途中、アメリアたちから離れたレボルが手伝いに来たが、あとは挟んで盛り付けるだけだったので、紅茶の準備を任せた。


「トミオカさん、食事は外で?」


 レボルが問いかける。冨岡のイメージだが、サンドウィッチは青空の下で食べた方が美味しい。


「あー、そうですね。どうせなら外で食べましょうか。机と椅子の追加をお願いしてもいいですか?」

「はい、わかりました」

「それが終わったら、みんなを呼んで来てください。もう完成しますよ」


 大きな白い皿にレタスを並べ、彩りを意識しながら食べやすい大きさに切ったサンドウィッチを並べる。最後にミニトマトを飾れば『元気の出るサンドウィッチの盛り合わせ』の完成だ。

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