第18話 カミキリムシと癌腫の関係?

 春に水切れで届いたバラの新苗ですが、下葉が黄変して落ちたあとに回復したのち、接ぎ木部分にポッコリと丸いコブが……。

 触ったらポコッと取れました。

 コルクのような、クルミみたいな断面……。

 はい、間違いなく根頭癌腫ですね。

 やっぱり最初からつまずいたバラは駄目だったのでしょう。

 悲しいですが、このバラは処分しました。


 7月ころから癌腫が発生します。

 新苗や大苗で購入し、夏に癌腫が発生する場合は、購入前にすでに罹患していた可能性が高いと聞きます。

 それ以外の古株は、残念ながら自宅で発症したことになります。

 購入した苗に関しては、補償のついているところもありますが、対応はまちまちのようです。

 今回癌腫が出た新苗を購入したのは、総合園芸店の通販サイトだったので、そんなものはありませんよ……。

 


 さらに、大きな鉢に植えてあるバラ2鉢にも癌腫が見つかりました。

 ひとつはエメラルドアイルで、毎日チェックしていたはずなのに、ある日突然株元にコルク状の塊ができていました。

 念のため、ほかの鉢も表面の土を解しながら、癌腫がないかをチェックしてみると、今度はピエールエルメの土中に発見!

 埋まってた!!Σ( ̄□ ̄|||)


 私なりの治療法は、癌腫のコブをできるだけ取り除き、表土も肥料も廃棄します。

 その後、幹部をチャッカマンで火あぶりにし、アルコールスプレーを噴射、さらにキッチン除菌泡スプレーを患部に振りかけます。

 泡が引いたらトップジンMを塗っておしまい。

 結構扱いがひどいですが、とりあえず死にません(;´∀`)

 除菌泡スプレーは真似しないでください。


 ついでに短く剪定して葉っぱがなくなったので、根腐れさせないよう、水やりは数日おきにします。

 新芽が出てきたら、腐植酸粒とゼオライト(シリカorミリオン)を表にバラまいて様子を見ます。

 冬になったら根洗い+用土替えをして、根まで癌腫が広がっていたときは処分し、無事ならもう1年保留します。


 現在確認中のバラに、カクテルがあります。

 カクテルは今のところ再発はしていませんが、木全体に細菌が存在するので、ほかのバラとはハサミなどを使い分けします。

 本当かどうかはわかりませんが、3年コブができなければ治療完了(?)と、どこかで読みました。

 ですが根治はしませんので、また再発の可能性はおおいにあります。

 土中のどこにでもいる細菌なので、癌腫になるかならないかは紙一重。


 癌腫を出さないためには、有機質を多く使用したほうがいいと聞きました。

 化成肥料に頼るなってことだと思いますが、有機肥料も中々扱いつらいものです。

 ちょっとでも未完熟な有機資材が混ざると、逆に悪さをするようです。

 資材選びから育て方まで、バラは本当に何年経っても難しい……。



 癌腫の原因に、同じハサミの使い回しが挙げられますが、うっかり隣の枝を切ったからといって癌腫になるわけではないんですよね。

 私なりの経験で、ハサミのほかにカミキリムシとも関係があるのではないかと、勝手に思っています。


 今年癌腫が出た2鉢は、かなりカミキリムシに齧られ、枝が折れて垂れ下がるほどでした。

 結果的に枝を根元から切り落とすことになり、それを発見したあとで癌腫を見つけたんです……。

 カミキリムシが齧ったことで、樹勢が弱まり、癌腫の細菌が活発に動き出したんじゃないかなと。

 中に卵を産みつけられ、幼虫が孵化している可能性もありますね。

 必ずしも幼虫が齧ったあとのオガクズが、外に出るわけではないのですよ。


 今年はカミキリムシが多いので、毎日のように株元をチェックしています。

 それこそ30匹以上はご臨終いただいたと思います(;´Д`)

 ヤツは本当に気持ち悪くて怖いんですよ。

 見るだけで私が飛び上がりますから(笑)

 カミキリムシは目が悪いので、発見してから殺虫剤を取りに行っても、意外とその場に留まっているんです。

 そこへ、イヤな虫キンチョールをブシューッ! と噴射。

 ノズルタイプの殺虫スプレーなので、葉っぱにかかっても薬害は最小限で済みます。

 あまりに数が多いので、去年の在庫に4本買い足し、さらに6本注文。

 ショップさんも怪しく思っているかもしれませんね(笑)

 財布にも大打撃です!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


 ほかのバラも樹皮を齧られ、かなり被害が出ていますが、実際に株から成虫が出た穴はひとつしか見つかっていません。

 クラウン プリンセス マルゲリータは大穴を開けられ、出たところですぐに成虫を仕留めることができましたが、一箇月くらいで徐々に木が弱ってきました。

 しかし枝に皺が寄ってきたので、枯れたと判断し処分しました。

 ちなみに根に癌腫はなかったです。

 事前に何本か挿し木しているので、1本でもついてくれたらいいなぁ……。


 さらに我が家最大の春風も駄目な感じです。

 今年見事にアーチを埋め尽くしてくれたのに、そのあと枝が枯れ込んで、やむなくバッサリ剪定し、中が痛んでいない枝を挿しました。

 来年用に果樹用の45Lサイズの大鉢を買ったのに……!(>_<)

 今年新苗をたくさん買った罰かな?

 ほかにも古い株がボロボロ状態になってきているので、我が家にも新旧交代の波が押し寄せているのかもしれません。


 ◆◇◆

 

 最近、農業系YouTubeで話題の、特定農薬(特定防除資材)について思うこと。

 食酢は特定農薬に該当するので「無農薬と言ってはいけない」、とかなんとかで物議をかもしています。

 市場に出荷する農家さんは、「無農薬」と言ってはいけないそうです。

 無農薬と書くと法律に触れるようですよ。

 個人の家庭菜園レベルでは「無農薬」と言っても罰せられませんが、ひとにあげたりするときは言わないほうがいいですね。

 

 実際に皆さんがスーパーなどで購入される野菜には、農薬が使われています。

 農薬は用法用量を守って使用され、チェックをクリアした商品が流通に乗っているはずです。

 農薬不使用と言えるのは自然農法だと思います。

 しかし、農薬や化成肥料を一切使用せずに栽培したとしても、現代では無農薬を証明するのは難しいような気がします。

 今の時代は空気や雨水が、お世辞にも綺麗とは言えませんから……。



 ***

 作中で「無農薬」と書いていたかな?

 ふと心配になりましたが、中世ヨーロッパ風の異世界に現代のような農薬はないので、問題ないですよね?(;'∀')


 雨が多く弱酸性土壌の日本では、土壌中和に石灰を使用します。

 しかしヨーロッパでは雨が少なく、土質がもともと中性から弱アルカリよりなのだそうです。

 日本の農業のように石灰を巻く必要はないみたい……?

 執筆しながらそんなことを考えていました。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る