内政と視察
第11話十歳までのアレコレと……
『剣鬼』やお爺様が征伐軍に加わる予定のエイスナー傭兵団の傭兵等から剣を学び二年が過ぎた。
約四年で剣を習熟し、残りは並行して乗馬や弓、槍の習熟に当てている。当然魔法も上達し……結果として真っ白い
騎兵としてのメインウエポンは槍や薙刀、弓や魔法で貴族=騎兵と言う古くからの慣習によって学ばないと行けないらしい。
実に面倒だ。前世で言えば、馬に乗れると言うのはバイクや車に乗れるという事なのでデートには必要だ。と思う事で乗り切っている。
弓も、貴族同士の付合いで行われる。狐や兎と言った小動物を狩る
閑話休題、元日本人としては “刀術” を学びたいのだが、西洋風のこの世界に刀を使える人間はいるのだろうか? ファンタジー世界だと『NINNJYA』も『SAMURAI』も
その資金はお父様に出して貰うと思ったが、そう言えばもっと小さかった時や雪が降って外に出られなく冬に子守メイドと遊ぶために作った玩具で稼いでいた事を思い出した。
王道のリバーシ、将棋、チェス、囲碁、麻雀、トランプ。
マイナーなモノだとルドー、チェッカー、チャイニーズチェッカー、ヘックス、ナインメンズモリス、マンカラ、ラストカード、花札。
代わり種だとナンバープレース、数字魔法陣、ワードパズル、詰め将棋、詰めチェスなどを開発し御用商人に販売権を与え、三割ほどをインセンティブとして受け取っておりその収入によって、自前で商会を作ろうかな? と思えるぐらいには蓄えがあったのだ。
当然この世界には札遊びや将棋っぽいゲームはあれどもルールが洗練されていなかったり、ローカルルールが多かったので統一され洗練されたルールのこれらは、この世界の娯楽を一変させたのだった。
ここで俺は、考えた。
今までは従騎士や騎士、専門教師とばかり戦闘訓練を積んでおりその経験に偏りがあるのではないか? と……
ならば報酬を支払うことで “経験を買う” 事を思いついた。
冒険者や傭兵などの腕自慢を雇い短期間でその戦闘技術を吸収する事を思いつき行動を起こした。
しかし……
「力任せで芸の無い……冒険者の剣と言うのは詰まらないな……」
この世界の特に冒険者は、盗賊やダンジョンで揉めた同業者、人型モンスター以外との武術を用いた戦闘経験が少ないので、力任せの戦い方や獣型のモンスターを狩るための武術が主で、剣や槍で斬り結ぶ相手としては不適格だった。
ならば……と思い上位の冒険者に依頼してもマシになっては行くものの、師匠である『剣鬼』と比べると幾分も劣る。
だったら、対人戦を想定している傭兵なら! と思って依頼してみたものの「基本は集団戦闘で戦うので一対一の武術はあまり得意ではない」と言われてしまった。
それは近辺の優秀な冒険者や傭兵は、お爺様率いる征伐軍に加わっているからなのだが……当時は失念していた。
集まった冒険者や傭兵が多く不安だ。との陳情が周囲の村落から届いたので、両ギルトにモンスター討伐と土木工事の依頼を出す事で解決した。
父からは「想定外の事だが致し方がない。元々計画していた道路や橋の建設や前線に送ることで対処する。お前の稼ぎからも金を出せ」と言われてしまったが、しょうがない。
まさか出した依頼料が高額過ぎたらしく、ここまで集まってくるのは想定外だった。
俺からすれば役にも立たず、余計な金と時間の浪費だった。
踏んだり蹴ったりだが『高い勉強代』と考える事にしよう……
折角お金を出すなら……と駄々をこね。
今回の冒険者と傭兵に金をばら撒くための公共事業に口を出すことした。
株主と同じだ。
領内の軍……騎士団や魔術師、兵の大部分は征伐に向かっているのであまり大それたことは出来ないとのことで、キチンと整備されていなかった道を舗装することを提案した。
道の舗装は長く使えるものの、費用が嵩むため当初は難色を示されたが……
「道路は経済活動の血管、交通は血流です! これが途絶えれば死にかねません!! これは、補給の為でもあります!」
と熱弁し、お爺様の為でもあります! と情に訴える事で街道を補修・延長することが決まった。
途中橋を架けた方が良い場所などの話がでたので、「領内に商会を持つ商人に金を出させればいい。橋の命名権と税を免除すればいいでしょう」と提案してみた。
保守的な老人共は「橋や村などの命名権は領主の特権! それを売り渡すなど……」と渋っていたが、「当主であるお爺様やモンスターと戦う兵の事を考えろ」と言って黙らせる事に成功した。
これで金を出した商会は減税されることが確定したので、奴隷を買って商会を任せ俺が開発したことになっている玩具を売る事になるだろう……『印税の契約時に俺が所有するモノを売る場合は除く』としておいて良かった。
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