飲み会に行った。

 逃走を決める前に入っていた予定なので、飲み会に行ってきた。

 月並みな言葉ではあるけど、みんな変わったな、というのが第一印象であった。


 前に会ってから、一年も経っていないはずだ。

 眼鏡だったのがコンタクトに。

 万年独身だったものが恋人の話を。

 実家暮らしは家を出て。

 車を買ったものもあり。

 今日はいなかったが、イラストレーターになった知り合いの話も出た。


 車だの、恋人だの、そんなものよりも。

 イラストレーターが羨ましくて仕方がない。

 野球選手や、ベンチャー社長と、同じである。

「自分の世界」を作り上げた人たちだ

 私も文章一つで稼いでみたかった!


 学生の頃

 十代の頃は明らかに夢だった!

 時間ばかりが過ぎて行き

 実力不足を自覚すると

 もはや「縛り」だ

 そんなものは無いほうが

 きっと幸せに生きていける


 そんな夢の話や

 逃走の話は飲み会の場では一切しなかった

 唯一持っているトークテーマは「自虐」

 失敗談はいくらでもある

 過去を笑いにできれば

 むなしくない 悲しくない

 笑われてない

 むしろ笑わせているんだと肯定できる


 何か失敗してしまったとき

 素直に泣いて謝って

 助けを求められたらどんなにいいか

 生まれついての道化ではなかったはずだ

 だからといって

 自ら望んでそうなったわけではない

 時代や環境のせいにするのは嫌いだ

 だけど本当に

 全部が全部

 自己責任でしかないのか?

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