やっぱり来たよ
次の日のお昼時、私はお昼ご飯を食べれる場所を探して
女子校の付近をうろうろしていた。
早く食べて、仕事に向かわなければとそわそわしていた時に、
木が木陰を作り、隣には女子校の敷地外の道が見える場所にたどり着いた。人は誰もいない。
「もうあそこでいいや」
フェンス辺りの、芝生に座り、弁当を広げる。
自作の弁当の中から、お箸で唐揚げを一個取り出し口に入れる。
もぐもぐ
「わー!美味しそう!生徒会長!手作りですか?」
突然、大きな声で背後の茂みから待っていたかの様に現れる彼に、
口の中の唐揚げが外に戻りかける。
「なんでお前がここにいるんだよ!?男子校はあっちだろ!?」
日蝕の祭りで感じた嫌な予感が的中する。
「大丈夫です。生徒会長が此処にくる前にいてちょうど移動しかける所だったので、待ち伏せとかではないです」
「何が大丈夫なんだ!?」
木彫りのライフル銃を槍を投げる感覚で強く、投げつけるも
サッと避けられ逆にどや顔をくらわせられて、地味に苛つく私がいた。
「はぁ、ほんっと他の人に見つかったらどうするんだ?怒られるのは・・・・・んー副会長だしいっか。てことでまぁ、座れよ。あとこれは私の手作りだ。」
責任が私に来ないことが分かると、気分が軽くなる。
言われたままに座る彼を見ると、どうやら手ぶらの様だ。
「お弁当はどうした?」
「・・・・・・あ」
まさか
「忘れてきたぁぁぁ!どうしよ!飢えそう!」
企みではなく、本当に忘れたらしい。
「一食抜いたぐらいでは飢えないから落ち着けよ!ああもう!昨日の礼しなきゃだしな。ほら私の弁当食えよ。いっとくがお前一人で食えよ?」
すっと弁当を渡すと、目をキラキラさせて、
バクバクと美味しそうに食べ始める。
よっぽどお腹減ってたようだ。
「美味しいか?」
「はい!!!とてもおいしいです!!」
「そうか、なら良かった」
夏の暖かいそよ風が、二人の間を通り抜ける。
私は地面に落ちている木彫りのライフル銃を拾いあげる。
「なんでいつも、そんな物持ち歩いてるんですか?」
「保険だよ。お前みたいな変な奴に絡まれたらこいつでそいつの頭にたたき込むための保険」
「理由が物騒すぎます!生徒会長。俺はもう貴方に殴られたくない!」
「なら、これ以降変な事しないのと、ルールを守る事をすれば殴らないぞ」
「生徒会長を取るか、社会を取るかですか・・・・・選べない」
「選べ」
「じゃあ生徒会長」
ドコッ
「痛い!。選んだのに!なんで殴るんですか!?あーあ昨日の痕が消えたと思ったら、秒で新たに刻まれる俺。可哀想」
「死なないだろ?どうせ」
「はい!そもそも死ぬってどんな状況なんですか?傷は治るが当たり前じゃないですか!・・・・生徒会長から聞いてきたのに、どうしてそんな悲しい顔をするのですか?」
「うるせー・・・・・。あと一言余計だぞ。さあもう帰れ。私はこれから仕事の時間なんだ」
「そうなんですか・・・・、ご馳走様でした!生徒会長」
幸せそうな笑顔で空っぽの弁当箱を手渡される。
「もう来るなよ?」
「たぶん!もう来ないです!」
お前のたぶん、ほど信用できないものは無いんだけどな。
「じゃあまたな」
「・・・・・。はーい(適当)」
素早く茂みの中に入り、穴の空いたフェンスを通り抜け、女子校の敷地範囲外の道を歩いて行った。
「・・・・後でそこ塞ぐか」
―おまけ―
(さっき、またなって言った!?来年とかじゃなく!?)
聞き間違いなのか本当なのかは、聞き逃した彼にはわからなかった。
どちらにせよ。この思想で心臓がバクバクする純粋な男が男子校で発見された。
友達に
「まじか、絶対あいつどうて」
―終わり。続くよ―
こっち向いてよ!生徒会長! bbキャンセル君 @aiumi
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