第20話 その後
ラバースーツ姿にマスクを外し、ダウンコートを羽織った悟役の俺、岩手 登と私服姿の美晴役の秋城 早苗はスタッフに拍手で見送られる。
「お疲れ様でした」
「これで撮影はクランクアップです」
控え室へ向かう途中、早苗が話しかけてきた。
「私、どうでした?」
「え?早苗ちゃんの演技?」
彼女は元セクシー女優だが、演技の良さと美貌から女優に転身して、今回がデビュー作だったそうだ。
実際、演技シーンは少なかったが、演技は素晴らしく、これから期待の女優さんになりそうな要素はたくさん感じた。
何より拘束シーンは声だけのアテレコだと思っていたが、早苗自身が体当たりで挑んだ。
だから、2日間の撮影のほとんどをラバースーツを着て、拘束されるシーンで自ら美晴を演じ切った。
そうなると必然俺にも拘束される事が望まれ、それを応じざるを得なくなってしまった。
更に挿入も本来は俺のはおもちゃを装着し、早苗に入っているように見せる手筈だった。
ボカシを入れるので分からないからという事で当初話は進んでいたのだが、ここでも早苗が一石を投じた。
実際にヤラないとリアリティがないと。
元セクシー女優ならでは意見だったが、監督はその意見を尊重した。
そして、俺のペニスもラバーに包まれていれば、本物かおもちゃかの区別がつかないという事で早苗の了承を得た上で、本物という事になった。
さて、そこで浮気相手の香澄役の鳥海 恵梨香も女優の意地なのか、俺との絡みのシーンも本番OKが出た。
早苗と違い、女優としての実績もある恵梨香のOKは正直驚いた。
どの女優さんとも絡みシーン後の俺はラバースーツの中が白い液で大変な事になっていた。
男性スタッフからは羨ましがられる事も多かった。
俺はこの撮影が決まってラバースーツ着用を知らされて、正直喜んでいた。
少し前からラバーに興味を持ち始め、ネットで調べれば調べるほどハマっていき、ラバーフェチになっていた。
だから、実際にラバーを着て互いに触れ合ったりする事を楽しみにしていた。
それがまさかラバーを着た綺麗な女優さん2人と本番ありで絡めるなんて夢のようであった。
そしてこの撮影を通して俺の性癖も気づかされた。
Mの面も持ち合わせたドS。
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