第17話 一体化
今度は香澄からも佐々本課長からも何も指摘はなかった。
着ぐるみの犬にされての性行為を終えれば、俺と美晴は晴れて解放される。
バックの体勢で俺は一心に腰を振った。
俺は絶頂を迎える。
腰の動きは次第に大きくゆっくりとなり、最後は美晴の中で留まり余韻に浸る。
“これで、やっと解放される“
今までの疲れが一気に押し寄せ脱力する。
“これでやっと人間に戻れる“
美晴からもそんな雰囲気が伝わってきた。
俺は美晴との交わりを撮影されている事に対して特に気にはしていなかった。
顔も体も見えない全身を黒光りするラバーに覆われた上、言葉を奪われたヒトイヌや犬の着ぐるみが交わっていても、俺や美晴と分からなければ一向に構わないと思っていだからだ。
ただ、今はこの地獄から美晴とともに解放される事だけをただただ願っていた。
絶頂に達した気持ち良さと解放される事の安堵から思考がダウンしてしまい、目を閉じていたのが不味かった。
俺と美晴は挿入したまま、着ぐるみの上からラップを巻かれて離れなくされた。
気づいた時には太ももから腰回り、下腹部をラップで固定され簡単に外れなくされてしまった。
美晴も行為による気持ちよさと解放される安心感から気が抜けていたのだろう。
「ああいあ、いあうううう(話が違ううう)」
俺は大声で抗議し、そして暴れた。
香澄は佐々本課長に「犬が怒っているみたいよ」と軽く声をかけただけで、2人で俺と美晴をどんどんラップで締めつけるように一体化していく。
ラップを巻きつけるのを妨害しようと暴れたが俺と美晴は離れる事は出来ず、動いた事で俺の大きくなったペニスが美晴の中で暴れるだけだった。
俺のペニスが美晴に挿入された状態のままなので、動こうとすると気持ち良くなり、2人とも力が入らなくなる。
2人の体を一つの物体にし、外が見えないほど何重にも厳重にラップで拘束された。
俺と美晴ができる事は俺の顔の付近に開いたスペースから呼吸する事だけだった。
もう完全に物と化した俺と美晴を今度は横倒しにされる。
体がかなり暑い、暑すぎる。
俺よりも長くヒトイヌにされていた美晴はもっと暑いだろう。
それは美晴と繋がっているペニスからも伝わってくる。
美晴はもう暑くて動く力も声を出す力も残っていないのだろう。
物にされた俺と美晴の梱包はさらに続く。
横倒しにされ、大きなビニール袋に詰められる。
声を出して、抗議しようにも言葉にならないので、もう諦めている。
なぜ、ここまで厳重に梱包されているのか分からない。
大きなビニール袋に詰め終わると、俺の呼吸スペースに透明なホースが入ってきた。
そして外界との繋がりは呼吸用のホースだけとなった。
「ウィーーン!」
急に近くで大きな音がし始めた。
同時に、ラップ拘束とは違う更なる拘束が俺たちを襲う。
真空パックされている!?
先程詰められたビニール袋は布団圧縮袋だったようだ。
呼吸は確保されているが、完全に動けなくなった。
“解放するといいながら、どんどん拘束されていく、どういう事だ?“
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