第14話 いいなり

香澄が俺たちに指示する。

「今から撮影するから、ちゃんと撮れれば、あなた達をここから開放してあげる」

少し間を置いて、「まあ、あなた達に選択肢はないんだげどね」と言って高笑いをした。


「もう分かっていると思うけど、よーいスタートの合図でヒトイヌの交尾を撮るから、手を抜いたら解放しないからそのつもりで」

そう言うと香澄は俺のペニスにたっぷりとローションを塗り、残りのローションを美晴のラバーで覆われた女性器に塗りたくった。


俺たちから離れ、カメラを向ける香澄。

「よーい、スタート!」

俺は折り畳まれた手足でぎこちなく歩き目の前の美晴に覆い被さり、ギンギンに勃起したペニスを美晴に差し込んだ。

ローションで滑りがいいので、すんなりと美晴の中へ入っていく。

「うぅぅーぅ」「あ、あぁぁー」

人の言葉を奪われた俺たちは到底人ではない獣のような呻き声とも喘ぎ声とも分からない声をあげながら交わった。

何度も何度も腰を振り、交わるがこんな格好にさせられているせいだろう、SEXと呼べるものでなく交尾という言葉がしっくりといく。


それでも俺は短い腕で美晴を抱きしめるようにして、何度も何度も腰を振り頑張った。

これもここから解放されるためだ。

美晴も承知の上だろう。

何度も交尾したが、細工をされた俺のペニスは勃起したままだが、体は正直なもので、だんだんと動けなくなってきた。

俺は美晴に覆い被さり力尽きようとしていたが、美晴を潰さない様に抱き合うようにして、横へ転がった。


「はぁ、はぁ、はぁ……… 」

俺も美晴もヒトイヌにされて交尾をしたので、息が完全にあがってしまっていた。


「はい、カット!ヒトイヌの交尾、しっかり取れたよ、いい感じだった!」

監督気取りの香澄の声に反応する元気も俺には残っていなかった。

しかし、次の言葉に俺たちは耳を疑った。

「じゃあ、次本番行くから、準備するね」


“え!どういう事?“

俺の疑問は口にすることも出来ずにいるうちに、香澄ともう1人の人影が現れて何かの準備を始めた。

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