第10話 謝罪

俺は香澄の計画を聞いて、そこまでして俺に復讐したかったのだと理解した。

美晴の事もあるので、許して貰えるか分からないが誠心誠意謝ってみる事にした。


俺はその場で土下座して謝罪しようとした。

香澄が俺に近づいてくる。

不意に猛烈な眠気が襲ってきた。

“何故だ?さっぱり分からない“

朦朧とする中、香澄は俺を見下げてこう言った。

「悟、あなたいつもSEXしてる時、よく私の胸の谷間に顔を埋めて喜んでたわよね」

一呼吸置いた香澄が続ける。

「だから、胸の谷間に睡眠効果のある薬を仕込んでおいたの、匂いだけだから効果には時間がかかったけど、ようやくね」

そう言って、俺の近くに座り込む香澄の姿を見ながら俺の意識は途絶えた。




「悟、悟、起きて!」

俺を揺り起こす声で目覚めた。

俺はパンツ一丁にされ、フローリングで寝ていた。

傍らには美晴がヨレヨレの服を着て、俺の名前を呼んでいる。

美晴は先程、すごく泣いたようで目を腫らし、髪の毛は汗でまだ湿っていた。

その髪からは甘いラバーの香りが漂う。


目の前にはロングスカートにパーカー姿の香澄。

ベッドに腰掛け、俺たちを見下している。

俺はパンツ一丁で正座し、土下座をして謝罪した。

香澄が納得してくれるまで頭を下げ続けるつもりでいた。


隣りでは美晴も俺と同じように香澄に土下座をしている。

元はと言えば、俺の不倫が原因。

美晴にはなんの落ち度もない。

俺は美晴に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


香澄は俺たちを見下して微動だにしない。

俺は何度も何度もフローリングに頭を擦り付けて謝罪した。


突然、俺の背中に痛みが走る。

“痛い!“

香澄は目の前にいたはずなのに突然背後から衝撃に振り返ろうとするが体は動かない。

それに目の前に香澄の足が見え…る?

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