Ⅱ. 異世界で生計を立てるには!?
「それじゃあ、目的も達したしそろそろ帰るか!ザガラソーシはどうする?」
ガレオの言葉にゴソゴソと荷造りを始めたアリア達を見ながら、俺は考える。
とはいえ、このままここに残って生きていくなんて論外なのだから、アリア達について行く一択なんだが…。
「オイオイ、こんな所に召喚しておいて、常識なんてない俺を置いてくつもりか?」
アリア達の善意につけこむような言い方だか、魔剣とやらの恩があるはず!正当な主張だろ?
「街までなら連れて行ってもいいけど、ザガラソーシは戦えるの?変な服だけで、武器も持ってないけど魔術師とか?」
召喚しておいて、街までしか連れてってくれないのかよ…。いや、生活の面倒をみろとか、ヒモじゃないんだから、俺が嫌だわ…。
「魔術師ってのはあれか?火の球を出したりして敵を倒す的なやつか?」
「あ、魔術師については知ってるんスね」
俺はコイツらからどれだけ無知だと思われてるんだろうか…。
「それなら俺は魔術師じゃないな!戦えもしない一般人だからな!そういや、俺の事は
いい加減フルネームで呼ばれるのは遠慮したいぜ。もっと仲良くなればそうちゃんって呼ばせてやってもいいがな!
「ちょっ!ちょっと待ちなさい!アナタ貴族だったの!?」
ん?あぁ、もしかしてこの世界は貴族様しか家名を持ってないってやつか?俺の両親はサラリーマンと主婦だし、ご先祖が貴族だったって話も聞いたことないけど…。
「なぁ…これってヤバくないか?他国の貴族を誘拐したって事にでもなってみろ、下手すりゃ戦争に発展するぞ!?」
なんか勘違いから、大事になってるけど…まぁいっかぁ。
「まぁ、心配しなくてもちゃんと事情を説明すれば大丈夫だろ。街まで連れて行ってくれれば、助けてもらったっていう事実もできるんだしな」
恩の押し売りみたいになってきたけど、まぁ勘違いしてるコイツらが悪いんだ。
「あ、あぁ。そいつは助かる…。俺らのせいで戦争なんて起きた日にゃ、ご先祖様に顔向けできなくなっちまう」
「ま、まぁ、困ってる人を助けるのは貴族の役目だからね。街まで送っていってあげるわよ」
素直じゃねぇの。でも、貴族として弱い人を助けるっていう気概は買ってやろう。
「それはそうと、このままで魔境に入るのはヤバくないッスか?」
「そうだな…。せめて防具たけでもあればいいんだが…」
あぁ、魔境っていうくらいだから、
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