なるほど。神様もちゃんと敬ってもらいたいんだろうな。まぁ、あのクソ神は敬えそうにないがな…。

 あんまり深く考えてもどうしようもないし、とりあえずやってみるか。

 台座に手を置いた瞬間、頭の中に声が響いて、吃驚びっくりしたが、なんとか表に出さないでいられた。

 何度も機械的に繰り返す声に、システム的なものなんだろうと思い、応じていく。


  [捧げるSP量を決めてください]

      :とりあえず100Pで。

  [希望する物を選んで下さい]

      :武器かな…アリアが使える物ならなお良し。

  [変更がなければ儀式の宣言を]

  [変更がなければ儀式の宣言を]

         :

 なるほど。これで、自分が考えた祝詞じゅもんを言えば神授の儀ガチャ行われまわせるんだな。じゃあ…---

「創造神様 なんか凄いのちょうだいな【神授の儀ガチャじっこう】」

 室内から光が消え、台座の模様が紅く光ると祭壇へと伸びる。幾重にも重なる魔法陣が球体を象りながら膨れ上がり明滅を繰り返す。直径が十メートル程にもなろうかと思われたとき、臨界を迎えたのか紅い燐光を散らし、弾けて消えた。

 魔法陣のあった中心には、一振りの繊細な細工がされた細剣レイピアが浮かんでいた。

「う、嘘!初めてで魔剣を出すなんて…。ほ、本当にもらっていいの?」

 あ、やっぱり細剣アレも魔剣なんだ。なんかあげるのがもったいないような…。

「もらってくれ。そのかわり、期待してるような能力?がなくても文句はなしだからな」

 そもそも、武器なんか持った事なんてない俺が使いこなせるわけがないんだから、恩を売ったと思えばいいか…。

 俺がそう思ってるなんて知らずに、アリアが嬉しそうに細剣レイピアに先ほどの【鑑定】をかけ、結果を見て固まった。

「どうしたんだ?」

 アリアの様子を見ていたガレオが、不思議そうに近づき声をかけると、アリアは黙って結果の紙をガレオに渡した。

「なっ…なんじゃこりゃ!?」

「ど、どうしたでヤスか!?」

 鑑定結果を見たガレオが驚きに声を上げると、レットンが何事かと慌てる。

 うっかりハチ兵衛みたいなやつだな。

「なんなんすかこれは!?【蒼炎剣スレーヴァティン】なんて銘待ちで、至帝級魔法【獄炎滅星球フレア・ノヴァまで使えるじゃないッスか!!!」

 あ、なんかヤバそうなのが出たみたいだな…。まぁ俺には関係ないだろ。

「おい、本当にコレをお嬢に譲っちまっていいのか?」

「ちょっと!余計なこと言わなくていいの!!」

「お嬢は黙ってろ!はそんな簡単に扱っていい代物じゃないだろうが!」

 そんな凄むなよ…。ちょっとチビりそうになったじゃないか…。まぁ、なんかすっげぇヤバそうなのが出たってのはわかるけど、アリアと約束してるしな。それに剣一本で自由が買えるなら安いもんだろ。というか、そうしないとずっと付き纏いそうだしな。

「そりゃ、約束してたからな。それに俺には扱えない代物だしな…」

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