ガッカリする俺とは反対に、それぞれの武具の上の紙切れを手にしたガレオ達は、喜びを爆発させた。

「おいっ!この魔剣、特級魔法【紅炎灼火砲クリムゾン・バースト】が使えるぞ!!」

「こっちもヤバいッス!上級魔法【堅石防壁ストーン・ウォール】と【堅石尖針弾ストーン・バレット】が使えるッス!!」

 なるほど!かなりのレア武具が当たったんだな!どれだけ凄いのか俺にはわからんけどな!!

「ズルいわ!何でアンタ達がそんな特級武具なのよ!私なんか、この弱っちそうな人間よ!納得できないわ!!どっちか私のと交換しなさいよ!!」

 オイっ!指を指すな!…機嫌が悪そうだなぁって思ってたけど、そういう事か。あくまで俺はガチャの景品なのな。

 二人にとってはアリアが上司みたいなものなのだろう。俺は、駄々をこねる子供に強く出られない親の様になっている二人に助け船を出してやる。

「まぁまぁ、自分の思い通りにいかなかったからってそれはちょっと違うだろ。そもそも俺は物じゃないし、アリアの奴隷でもないんだ。勝手な事を言わないでくれるか?そんなに羨ましいなら、もう一度ガチャをすればいいだろ?」

 満足する物が出るまで回すって、廃課金者的な思考かも知らないが、この世界じゃ普通の事だろ?

「サ、サガラソーシが出てきた神授で、今まで貯めてたポイントのほとんどを使ったのよ!!ちなみに五万Pよ!?私がこの一年、我慢に我慢して貯めた五万Pの結果がサガラソーシなの!私だって、私だって…………グスッ…」

 おっふぅっ。泣くんじゃないよ。俺が悪い奴みたいになってんじゃん。

「わかった、わかった。俺も今からガチャを回すつもりだから、それで何か良い武具が出たらアリアにやるから」

「グスッ…ほ、本当?」

「あぁ、本当、本当!!」

「特級とか出てきても?」

「特級だろうが国宝級だろうがアリアにやるよ!」

 念を押すアリアに、太っ腹な事を言っておく。…決してめんどくさいからじゃないと言っておこう。

「やったー!!それなら早く神授の儀をしガチャをまわしなさいよ」

 一気に機嫌が良くなったアリアを見て、ガレオ達が目だけで謝ってくる。気にするなと目で返しておく。

「そういえば、二人が唱えてた呪文みないなのが違ってたけど、決まってないのか?」

祝詞のりとの事か?神官が言うには、アレは神様に、これから神授の儀ガチャを行いますよっていう合図みたいなものらしいから、どんな言葉でもいいんだそうだ」

 へぇー。そんなもんなのか。大体こういうのは決まった文句がありそうだがな…。この世界の神様達は心が広いんだな。

「なんでもいいって言っても、やっぱり神様を敬う祝詞のりと方が、良い物が出る確率が高いから、大体似た様な祝詞のりとになっちゃうんだけどね」

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