Quarter4 斎賀高校の実力と幻へ
浅井が敗北を認めてベンチに戻る。
「もう、この試合は勝ち目がねぇ………おい、恭永、俺と代われ………俺はベンチで寝とく………」
斎賀高校は恭永のギャロップステップと戦うことはなかった。
もし、恭永がギャロップステップを習得していれば、斎賀高校は勝てなかった可能性がある。
「恭永~~~!! あんたがあたしの一番なんだよ!!」
ゆりが恭永のために窓を開けて風を呼ぶ時、瞬足のギャロップステップはファンの夢では終わらず、現実となる。
斎賀高校の奮起に呆れる浅井、最強のレジェンズが斎賀高校で見せた覚醒を本物へと昇華させた。
神崎に練習する時間があれば、彼もまた斎賀高校に破れはしなかっただろう。
「神崎主将!! 今度は俺たちのためにでなく、主将のためにバスケをしてください!!」
城ヶ崎高校の連中が神崎を応援する。
しかし、敦煌高校は人間をやめた存在、公式最強と評された神崎は天才といえど毛利という人間に破れた。
だが、それは神崎がまだ覚醒に目覚めていなかったからだ。
「貴様に見せてやる………最強を超えた俺のドリブルシャッフルを………」
軌跡のレジェンズが何かを追いかけ始める。
「ば、馬鹿な!!? お、俺は何を追いかけているんだ!!? ま、まるで、流水のレジェンズと同じ芸当だと!!?」
しかし、流水と神崎の技量では質が違う。
全くの別次元、それでも、双方共に威力は互角の代物であろう。
「おい!! 流水のレジェンズ!! もう奥の手を出してしまえよ!!」
焦る軌跡のレジェンズに催促される中で、毛利の知略が敦煌高校を封じ込める。
「上杉に見られるのは癪だが、いいだろう………流水の奥義をお見せしましょう………」
零だとか腕力だとかそんなものではない。
斎賀高校の選手は誰も動くことすら許されなかった。
「簡単なことだよ………彼の流水を見た時、僕は気付いてしまった。毛利くんも気付いたんじゃないかな? そう、これを止めるのは不可能だってね………」
しかし、御堂が命を賭ける。
「氷川には通用しなかったが、俺の魂がその知略を超えることになる………」
斎賀高校のしぶとさに呆れる浅井が再びコートに戻ってきた。
「俺は超人だ………だったら、人の命を超える………物理学的に………」
浅井の心臓が破裂してもおかしくない、そして、彼はバスケの中で物理学を立証してしまう。
「な、なんということでしょう!! この試合はノーベル賞を受賞する場でもあったのでしょうか!!?」
上杉の覚醒に神崎の無限覚醒が敦煌高校を襲う。
しかし、絶望する。
そう、敦煌高校にとって、斎賀高校は本気で食らいついていただけに過ぎない。
彼らは、未だに本気を出してなどいなかった。
「貴様らは覚醒して戦ってたらしいが、我々は覚醒すらしていない………なぜ、本気を出していると思われるのか?」
上杉はその男たちの顔に驚愕する。
「お前の父親はクズだった。そして、お前を引き取って行ったが、俺はお前の兄、親父をもっと前から拒んで退けた存在だ………」
愛に生きた兄と毒親の欲に生きた上杉、二人の差は決定的なものとなる。
「欲に縛られた人生と愛に生きた俺の人生を比べようか………」
『クリスタルバスケ~FINAL GAME~(終)』
知名度が爆発的に上がって応援されたら描きます。
ここまで読んでくれて感謝します。
クリスタルバスケ~FINAL GAME~ 飛翔鳳凰 @remon0602
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