第8話

粛々と、式が進行する。


「最後のお別れです。」

こんな言葉と共に、彼とあの子を始めに、

参列してくれた皆が、私の棺の中にお花を入れてくれた。


私の棺の中は、ピンク色のお花で一杯になった。


皆がお花を入れ終えると、

私の胸元に、彼とあの子から、それぞれの手紙を添えられる。

そうして最後に、彼がそっと、家族写真を入れてくれた。


彼と私の真ん中で、

あの子が、おどけて頭にぬいぐるみを乗せたこの写真は、

最後の家族写真となってしまった。

この写真を撮った日から、まだ1年も経っていない。


ずっと、3人一緒だよ


こんなメッセージを込めて、

彼らは、この写真を私の遺影に選んでくれた。


彼は最後に、もう一度、棺の中に入れた家族写真を見つめ、

私へと視線を戻すと、

眠る私の頬をそっと撫で、

「楽しかったね。」

そう言って、

静かに涙を流しながら、穏やかに微笑んだ。


棺の中で眠る私の姿に、

彼が最後に向けてくれたのは、穏やかな笑顔だった。


ねぇ、あなた。

今日1日、お疲れ様。

喪主の挨拶、格好良かったよ。

ありがとう。


私ね、あなたと結婚出来て良かった。

幸せだったよ。



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