アメノオト

雨の音で目覚めた朝

何だか不意に知らない場所に

放り出されたような心細さで

まるで迷子になったみたい


カーテンを開けても

外は薄灰色ばかりで

時の止まったような部屋は

薄闇をまとったまま



今日を始めなければ

そう思いながら

わたしは

汗ばんだ寝間着のまま

座り込んでいる


あかりを


あかりを


雨音が激しくなってくる


梅雨が近づいている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る