第2話「いけ好かない転校生」

〇登場人物紹介〇


NO.3 黒蝶レオ-こくちょう れお

中学二年生。転校生で、姫菜とは衝撃的な出会いをした。


「黒蝶レオ、挿絵・AIアプリ」

https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330657384023314


NO.4 空色りん-そらいろ りん 

姫菜の同級生で、仲が良い。クラスメイトの新田にいじめられている姫菜を心配する。



NO.5 新田杏奈-にった あんな

クラスメイト、姫菜をいじめてくる。黒蝶が好き。


🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛


ここは姫菜のクラス。二年B組。

どうにか間に合った姫菜が、仲の良い友達の空色りんとしゃべっている。

引き戸が開いて女性教師が入ってきた。

「あ、先生だ。姫菜ちゃん、おしゃべりやめよ?」



りんが、姫菜に知らせると姫菜は先生の方へ向き直った。

「今日は、転校生を紹介します。入って、黒蝶こくちょうくん」

教師は扉に向かって呼びかけた。

引き戸を開けてブレザーの制服の男子生徒が入ってきた。


ざわつく女子生徒達。

教師は黒板に黒蝶の名前を書き説明した。

「ご両親の転勤で、福岡の中学から転校してきた、黒蝶(こくちょう)レオくんです。皆さんよろしくね」

「黒蝶くん。皆さんに挨拶して」

「福岡の中学から来ました、黒蝶レオです。どうぞ、よろしくお願いします」


黒蝶はぺこりとおじぎをした。

サラサラの黒髪。なかなかのイケメンだ。

女子生徒達の黄色い声があがった。男子生徒達は面白くなさそうだ。


そんな状況にもかかわらず黒蝶は、興味がなさそうに軽く咳払いをした。

「あーっ! あんた。さっきの猫男っ」

急に姫菜が席を立って大声で指をさした。



一斉に姫菜を見るクラスメイト達。

「朱井姫菜さん。何ですか、いきなり。座りなさい!」


先生の言葉で姫菜は席にストンと座った。

「それでは、黒蝶くんは朱井さんの隣に座ってね」

「はい。先生」

黒蝶は姫菜の隣の席まで歩いてきた。


注目の的の中、彼は席に座ると姫菜に小声でささやいた。

「へえー……。あんたの名前。朱井姫菜っていうんだ? 姫ってガラかよ」

小声でささやき、嫌味ったらしくにやにやと笑う。

「うるさいっ! この猫っかぶり」


姫菜も小声で負けずに黒蝶に言い返す。

「あの事言ったら……わかってんだろうな?」

声色が低くなり、黒蝶の瞳がすっと細くなる。

「うっ……」背筋がぞくりと冷たくなり姫菜は思わず引いてしまった。



授業が終わると黒蝶は、女子達に囲まれてしまった。

「黒蝶くん。あなた素敵ね」

「ありがとう」


周りの女子達を押しのけて話しかけているのは

自称、二-Bの美少女の新田杏奈(にったあんな)だ。新田が横目で姫菜をにらんできた。

姫菜はたまに、新田にいじめを受けていた。姫菜は嫌な予感がしていた。



昼休み。姫菜は新田と取り巻き二人に体育館裏に呼び出された。

新田が姫菜を突き飛ばした。

「あんたさァ……黒蝶くんのなんなのよ! 

なんで、黒蝶くんが、あんたなんかを知ってんの!?」

姫菜が心配でつけてきたりんは、その様子を目撃して助けを呼びに走った。

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