第5話 トモコvs竹岡
長らく経験していなかった派手な入場を終えると、自分よりも何倍も長い入場をトモコをし始めた。
ルールは4分3ラウンドMMAルールであった。しかし、地下格闘技団体というのはあまり優遇されないようで控室は碌な暖房が無かった。
「竹岡ー!女にまけんじゃねぇぞッ!」
とセコンドの仲間が叫ぶ。大江戸流のテーマソングは流れなかったものの、仲間は駆けつけてくれたようだ。
体重は60kgで体格では完全に有利ではあるが、ハードパンチャーなのはいただけない。ゴングが鳴った。
「さぁ、始まりましたコンバットマッチング21センチュリー!」
「はじめは両者警戒しているようですね」
「やっぱり、トモコ選手も重い打撃で有名ですけと、何しろ相手は男子で体格差が9キロもありますしねこれはしんどいですよ」
はじめにヒットしたのはトモコの打撃であった。命中したのは左の胸板であり、急所ではないもののフルスイングの金属バットのような衝撃が来た。
たまらず反撃するも回避されてしまう。
「いや〜流石、ブラックマンバMMA、キックの女王と言ったところでしょうかうまく躱していますね」
「ただ、トモコ選手も一発モロに貰えば無事では済まないので警戒したいところですね」
ジャブやストレートをいくら打っても、大振りなせいか中々命中しない。そんな中、トモコの左フックが飛んできた。
「おおっと!大江戸流の竹岡が腕を捕まえて腕十字をかけました!これは抜け出せるか」
「あ〜、完ぺきに入ってますね。これは抜けられないんじゃないですか。」
しかし、首筋を足でアンカーのように止めているにも関わらず強引に抜けられてしまう。気付けば拍子木がなった。
「トモコ選手、腕十字のお返しとラッシュをしています!あ〜、崩れましたね」
レフェリーは這いつくばう自分を見下ろし、やめをかけた。あゝなんと情けない。
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