第2話 女子アトム級期待の新人
「これは中々のハードパンチャーですね」
実況者は赤を基調としたユニフォームに寂しく一枚のスポンサーに身を包んだ新人選手に目を見張った。
「トモコ選手は打撃は強いみたいなんですが、キックボクシング出身ということもあって寝技は得意ではないみたいですね。今回のようなレスリング出身の選手ですと厳しいものがあるんじゃないでしょうか」
実況者は彼女の弱点を正しく把握しているのは間違いない。
「おおっと、トモコ選手倒されてしまいましたねぇ〜。あぁ、上から乗っかられてこれは苦しくなりそうですね」
そう喋ったときである。不器用にもがくトモコの手打ちの打撃がたった2発ほど顎を捉えただけで相手が気絶してしまったのだ。
両選手のキャリアの差は明らかにトモコが格下であった。技術だって、身体を適当に回すだけのトモコに軍配が上がるわけが絶対にないのだ。
しかしながらはっきりしていることは、無邪気に勝利を喜ぶトモコと八角形のゲージでうつ伏せになって医務班に引っ剥がされる相手がいたことである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます