第5話 諦めんからって…諦めてください

おぐと連絡先交換してからほんまに圧がすごい。

毎日連絡くるし、顔見たいから自撮りして写メしてとかキモい事言ってくる。(お断りします)

告白されて、ごめんなさいしても諦めんからってガンガン連絡が来る。


2回目告白されてごめんなさいした後に学校の門で待たれててびっくりする。


「おぐ?何してるん?」


「かおり、会いたかった!

ちょっと話いい?」

近くの公園に場所移って話を聞く。


おぐがめっちゃ近くに来て両手首を、ガシっと掴まれる。逃げられない。

「俺、ほんまにかおりがドストライクなんや。

何回振られても諦められんのや。

今までメールと電話で告ったのは失敗やと思う。

直接会わんかったら俺の本気、伝わらんやん?」


「わっ!!」

ぎゅーって抱きしめられる。すごい力。


「おぐ!ちょっとやめて?」

背中や腰をポンポン叩くけどやめてくれない。


「嫌…ほんまに好きです。

一目惚れです。

付き合うって言ってよ?」


「…ごめんなさい」


しばらくそのまま無言が続いて、少し離れてくれたって思ったら、グイって顔に手を当てられて無理やりキス。すごい力で、抵抗出来ずに何回か続けてキスされる。


…!!

やっと腕を緩めてくれてバッと後退りして一定の距離を取る。


「ちょっと強引にしちゃったけど、俺の本気わかるやろ?諦めんから…」


そう言い残しておぐは去って行った。


無理やりキス…嫌でしかない。

おぐの暴走をどうしたらいい?

ストーカーっぽいとこも本気で無理。

ごめんなさいって言ってるの聞こえてない?

自己中すぎん?

しばらく呆然と立ちつくす。


その日の夜、洋介から電話。

「おぐから聞いた。無理やりキスされたって?大丈夫?」


「大丈夫じゃない。おぐ、何回断っても諦めてくれんから、もう、どうしたらいいのかわからん」


「会って話そ?今から行くわ」


近くの駅前の広場で話す事に。

昼間はトロッコの駅やけど夜は走ってないから誰もいない。ベンチで話す。


「マジで無理。無理やりキスする?

断ってるのに?てか、もう怖いんやけど。

うち、気分最悪やのに、おぐから頭おかしいんちゃうかと思うメールくるし。

見て?」

洋介におぐからさっき来たメールを見せる。

返事は無視してる。


『キスして、やっぱりどうしようもなく好きな事がわかった。

かおりも同じ気持ちやとキスして感じた。

ただ、俺がまだその気持ち引き出せてないだけやと思う。

かおりの気持ち隠れてるだけ!!

俺がその気持ち気付かせてあげるから、絶対に付き合った方がいいと思う。

俺、かおりがその気持ちに気付くまで待ってるからね?』


「ヤバない?どう脳内変換したらこうなるん?」


洋介がうちの手を繋ぐ。

「うわー…、これヤバいな。

てか大丈夫?無理やりされて…

俺がもともといらん事言うたせいや。

ほんまごめん…

俺、おぐと話ししとくから」


…何で手繋いでくるん?

そっち気になって話が入ってこない。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る