第4話 おぐ
それから会う時はギャル多めにしてみる。
可愛いって言われるの普通に嬉しい。
洋介はギャル好きみたい。受けがいい。
エッチしようって誘われるけど、のらりくらりと誤魔化す。
(こんなイケメンと出来るなんてラッキーやんいっとこ!)
って考えるうちと
(彼女いるのに手出したらヤバいやろ)
って考えるうちがいて最近はグルグル同じ事を考えて誤魔化すしかできない。
冗談かもしれんから本気にはできんし。
洋介の男子校の文化祭に呼んでくれた。
制服着て親友ともう1人友達との3人で行く。
「制服初めて見た!
かおり、スカートみじかっ!」
洋介の制服姿初めて見るけど、めちゃくちゃカッコいい。
制服をちょっと着崩してて、私服よりサイズぴったりめやから余計に背が高く見えるし、何よりメガネかけてる。
黒縁メガネが良すぎる。反則やろ。
「洋介めちゃかっこいいんやけど。
制服よすぎてヤバい………あっ!!!」
言った後で恥ずかしすぎて口元抑える。
親友に心の声漏れすぎってつっこまれる。
「飲み物買ってくるからここにいて」
洋介と小林君が買いに行って女子3人になる。
「制服ってヤバない?めちゃくちゃカッコよく見えん?」
うちがみんなに同意を求める。
「あー、わかる!首元とかめちゃエロい目で見てしまった。めちゃ触りたくなる」
めちゃ共感できる。ボタンもっと外したい。
洋介と小林君戻って来たんやけど、もう1人増えてる。
「ごめん、こいつも一緒にいていい?
こいつ、おぐ」
小林君が男の子紹介する。
正直、イケメン2人と並んで可哀想なくらい普通な子。御愁傷様。
みんなで軽くおぐに順番に自己紹介。
「かおりです」
「洋介の噂のかおりちゃん!!
俺、ずっと会いたかった〜!!
思ってた通りのギャルや。
めちゃ可愛いやん。
ドストライクなんやけど、俺!!
洋介、彼女いるけど、俺おらんから!!
洋介は他にもやりたい放題やけど、俺はそんな事ないから!
ね、連絡先教えて?」
何なんこいつ?
めちゃくちゃグイグイ来るやん。
しかも洋介を落として俺アピールするって何かモヤモヤする。
その後、おぐにずっと隣をキープされて洋介と喋れない。
何でかわからんけどうちはおぐに気に入られてる。
洋介は一体うちの事なんて噂したんやろう?
おぐから質問攻めにあって、俺はこんな人ですアピールめっちゃされた。
なんか…疲れた…。
そろそろ帰るって話になって、洋介がメールしてくる。
なぜ?
『おぐに聞かれたら邪魔されそう。
20分くらい裏門で待ってて。お願い!!』
OKって絵文字送る。
みんなと別れて言われた裏門で待つ。
待つのはいいんやけど、ここ目立つからヤダ。
めちゃくちゃナンパされる。
15分くらいして洋介が来た。
「おぐに見つからんように早く行こ!後ろ乗って」
自転車の後ろに乗って走り出す。
着いたのは近くの公園。
ブランコに2人で並んで乗って話す。
「あのおぐって子に何言ったん?」
「可愛いギャル見つけたって言った。
俺もおぐも好きなタイプ似ててさぁ。
そしたらお前彼女いるから俺に譲れよって話になって。
しつこくてさぁ、嫌って言っても全然やし。
今日だって来てるの隠したかったのに、小林が言うから…」
「流れで連絡先教えちゃったよ」
「マジ、おぐに言うんじゃなかった。
しかも、今日制服で来るとか…
あかんってギャル度と可愛さ増すやん?
ま、おぐって悪いやつではないんや。
ちょっと圧がすごいけど、それがいいって場合もあるし。
今日ずっと話せんかったし、巻き込んでごめんってとりあえず言いたくて」
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