第3話 ギャルが好きだったんや
洋介と仲良くなったけど、連絡先すら交換してないな。ま、また会うか。
そう思いながら数日経って、洋介がうちとメルアド交換したいから小林君経由でアドレス教えていいかって親友からメールが来た。
ちょっと嬉しい。
イケメンすぎて仲良くなるのは無理かと思ってたから、これはチャンスかも。
とりあえずアドレス伝えてもらう事になった。
小林君からメールが来る。
『洋介にアドレス転送したよ!
洋介、かおり狙いっぽいから気をつけてね?
あいつ女の子に手ぇ出すの早いし、先に言っとくけど彼女いるから騙されんようにね?』
『イケメンやし、彼女いてるの納得!
忠告ありがと〜!』
そりゃ、彼女いるやろ?だってめちゃイケメンやん。
彼女いるけどうち狙いってどういう事?
本命いるけど遊ぶ感じ?
小林君もそうとう遊んでるやろうけど、洋介も同類って事。
手繋ぐとか躊躇するのに全くないのはそういうこと。
淡い期待が一瞬で消えた。
『小林からアドレス転送してもらった!
なんか気合うし、仲良くしよー!』
さっそく洋介からメールが来る。
『うん、また遊ぼ〜!』
そこからメールしたり、たまにCD貸し借りしたりで会うようになる。
聞く音楽とかもよく似てる。
タバコも全く同じ銘柄吸ってる。
うちは地元で遊ぶ時はスケーター系で街行く時だとギャルの格好をする。
洋介と会う時はスケーター系。
服装が洋介と何となく似てる。
同じエアフォース1はいてるし、supremeやSTUSSYのTシャツ好きなとこが被る。
色々と好きな物が似てる。
何の話をしても不思議とすごく気が合う。
何年も前から友達だったのかな?って思うくらい仲良くなった。
今日は街で違う友達と遊んだ後に親友と合流していつもの河川敷で会う事に。
小林君と洋介も来てるらしい。
直接行くからギャルの格好で行く。
オフショルダーのトレーナーにミニスカートでブーツ。
髪も巻いて、いつもより化粧も濃いめ。
「えー!雰囲気違うやん。
こんな格好するん?」
洋介がマジマジとこっち見てくる。
「地元以外これが多いかも」
「ギャルいいんやけど。
めちゃ可愛いなー」
それ、さらっと言うところがヤバい。
うち、あんまり言われ慣れてないからどう返せばいいかわからん。
「あ…りがと…」
あー、暗くて良かった。絶対顔赤い。
意識したくなくても意識してしまう。
その後も意識してしまう事ばっかりしてくる。
なんか今日いつもの対応と違う。
酎ハイ飲んでたら半分ちょうだいって何故かうちの一緒に飲むし。
急に手繋いできて手白いって触り出すし。
肩に寄りかかってくるし。
洋介の対応にビクって反応したり顔赤くなったりしてしまう。
洋介はそれ逆に楽しんでない?
もう、どうするのが正解かうちわからんのやけど…
みんな解散ってなって親友と小林君はバイク二人乗りして帰っちゃって、洋介と2人。
「俺と会う時ギャルがいい。
ギャル可愛い」
「ありがと。
あんま可愛いって言わんといて…
どう反応していいんかわからんのやって
今日何なん?いつもと対応違って困らせて楽しんでる感じ?」
「可愛いから可愛いって言ってるだけやん。
逆に何て言えばいいわけ?
直球でやりたいって言えばいい?」
…!!
びっくりして固まる。
こないだのは妄想じゃなかった。
「知ってるとは思うけど俺、かおり狙いやから」
いやいや!そんなん宣言しちゃう?
「洋介、彼女いるんやろ?
うち狙ったってあかんよ!!」
「1回だけでも…ダメ?」
「ダメ!!」
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