第9話 吉報とタイムカプセル
綺「瀬那ちゃん!すごかった!」
瀬那「綺さん!」
琳「飛雷がやられそうになった時と朱莉ちゃんたちが危なくなった時はヒヤヒヤしたけど…」
ウル「これは…新型の魔法装甲か?いったい誰が?」
瀬那「多分…錬さんです…」
クルール「えっ!?彼が生きているんですか?」
瀬那「いえ…行方不明なのは変わりませんが…。スカイ…あの機体のAIの言葉を信じるのであればこの
ラナ「さ、3年以上前に造った装甲が新たに現れたタイプの魔獣を倒せるんですか!?」
瀬那「わ、私にも詳しい事はわからないのですが…データを受け取って最適化したとか…」
レア「スカイか…確か錬が乗っていた装甲に積んでいたAIだよね。かなり特殊なのはわかった…だが、なぜこの装甲へ?」
瀬那「錬さん…彗星戦争が始まる前。リコンが提示した準備をするための3年間の間の1年ほど…皆さんの傍から離れていたのはわかりますか?」
琳「あぁ…確か2人が同居する前…だったか?」
瀬那「はい…。多分その時、色々準備していたのかもしれません」
綺「錬くんならやりかねないな…」
瀬那「だけど、おかげで色々守ることができた…」
左手の薬指にある物を触れそう呟く瀬那。
瀬那「そうだ、皆さんに見てほしいものがあるとスカイがこれを…」
ウル「これは?」
瀬那「錬さんがまとめたデータとスカイが蓄積して導き出したデータだそうです」
そして、一同はブリッジへ集まりそのデータを全員で見る。
瑠衣「こ、このデータは!?」
ソアラ「細胞崩壊症の末期患者の症状の緩和の方法…」
レア「それに、これはリコン達の装甲に積んであった
スール「それに伴う負担とその負担軽減をするための魔法式の構築」
ウル「これは最近現れた魔獣か?それに対応するための武装と魔法の最適化…」
琳「こんな情報一体どこから…」
「そ、それが…この艦のシステムと各装甲から送られていたようです…」
瑠衣「……はぁ~」
綺「で、でもとても有益な情報でしたね!」
瑠衣「確かに…これは有益な情報です。これがあれば新たに現れた魔獣への対応が楽になりますし、戦力の増強に繋がりますね…」
そしてその夜、そのデータを渡した後、とりあえず次の指示があるまでは待機とのことだったので瀬那は医務室へ寄り朱莉の状態を見た後再び格納庫へと向かっていた。
格納庫へ着くと、瀬那は
スカイ:お待ちしてました。
瀬那「ごめんなさい遅くなって…」
スカイ:構いません。では、信条錬より信条瀬那へメッセージがあります。再生しますか?
瀬那「……お願い…」
そして、目の前のモニターに4年前の日付が記載されている。
¨えっと…映ってるかな?¨
スカイ:はい。
¨それじゃ…。瀬那…このメッセージを見てるって事は俺に何かあったってことなんだろうな?でなければ、この
映像の中の錬は少し悲しそうな表情をしていた。
¨あの日、君が俺の家に来てやったシュミレーターの結果を見て俺は君が
瀬那「正解…。あの時私も何かできないかずっと探していた…」
¨この後のリコンとの戦いはきっと俺も無事に済まないのはわかっている。もし、戦いが長引いたり、自分にもしも何かあったら……いや、やめておこう…きっと君の事だから俺が望む返事は絶対しないと思う。¨
長い沈黙があった。
¨できれば君を戦いに巻き込みたくない…遠ざけたい…これは俺のエゴだ…。でも、もし君が自分に
再び長い沈黙があり再び話し出す。
¨だから、自分に何かあった場合を考え、君の為にこの装甲を残し、託す。ついでに世話焼きのスカイの本体も残すよ…。¨
最後にニッコリと微笑む。
¨…大好きだよ…瀬那…¨
そしてメッセージは終わる。
メッセージを見終えた瀬那は嗚咽を漏らし泣きじゃくり、錬の名前を呼ぶ。
格納庫へ来ていた数人の仲間も、静まり返った格納庫内へ漏れ出ていたメッセージの音声を聞き何も言わずその場を後にした。
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