第16話 不明艦内で

所属不明の艦はハバキリの面々を助けた後、戦闘区域より離脱した。



「アスラはこれより反応が見られた場所への移動を開始する。各員はそれまで休息とする」


艦内にアナウンスが流れる。


格納庫内



「お疲れ様でしたわね」



紅蓮の装甲から降りてきたパイロットに話しかける女性がいた。

紅蓮の装甲のパイロットは銀の仮面を被りその表情は伺えない。



「そちらもな…。急な要請を聞いて貰って感謝する」

「いえ、この程度なんともありませんわ。感謝するべきは私達の方ですから…。貴方には返しても返しきれない恩義もある」

「でも、残らなくて良かったのですか?」




女性の背後から現れた優しそうな声の男性が紅蓮の装甲パイロットへ話しかけた。




地球こちらに来る前に言った筈だ。君達の戦いを最後まで見届けると…。アルナ姫そして、レイ」

アルナ「そうでした」

レイ「ありがとう、れ…いや、今は仮面の騎士アースさんでしたね」

アース「それに、君たちの技術のお陰で彼女達も救えそうだからな…」




格納庫から人が1人入れる程のカプセルが2つ運ばれていく。





アース「もう少しの辛抱だ…2人とも…」




運ばれていくカプセルを見てガイアはそう呟く。



アルナ「しかし、元に戻せたのは2人だけですか…」

アース「あぁ、は無理だった。あれはもう魔人に近いのかもしれないな。逃げながら罠の魔法まで張っていた」

レイ「厄介ですね…そうなる前に対処できればいいけど…」

アース「とりあえず、メイナ艦長に報告もかねて今後の対策も練る必要がある」




そして、ブリッジに上がると今回の報告を行う。




メイナ「そうですか…。私達の星で行われていた事がこちらでも…。貴方に謝らなければいけませんね」

アース「艦長、それは無しだと言った筈です。今やるべきはリアンの追跡です。奴はまだ何かするつもりなのかもしれません…」

メイナ「そうですね。今は悔やむより早めに動き計画を止める事を優先すべきですね!」




所属不明艦アスラは次の目標へ向けて飛び立つ。




再び格納庫内

鳥型の小型の魔法装甲と思わしきものの前に立ちそれを見つめる人物がいた。



アース「完成はまだだが。お前が必要になる日は近いだろう……天翔てんしょう




天翔と呼ばれた鳥型の魔法装甲はアースの問いかけに答える様に瞳を紅く輝かせた。

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