第17話 それからの事
あの戦いからハバキリの面々の士気はかなり落ちていた。
瑠衣「すみません、皆さん。前回の戦い…罠に嵌められたどころか皆さんを危険に晒してしまった…」
ウル「いや、総司令のせいではない…俺たちも覚悟が足りなかった。あの、映像があってほぼ確証があった筈だった。だが、エリゼや遙達がああならないと言う慢心があの状況を招いた…」
瀬那「…………」
梁「そうだナ…」
ソアラ「あれから数ヶ月…。私達を助けた謎の艦とその部隊は各地で現れた魔獣を続々と倒しています」
瑠衣「敵と見るべきか、味方と見るべきかはまだハッキリしませんが、彼らのお陰で周囲の街中への影響が少ない事は確かです。それに、魔獣だけじゃなく所属不明部隊と戦っていたという報告もあります」
ラナ「それじゃ…この前の戦艦は味方…?」
クルール「いや、魔法装甲がこちらへ仕掛けた事を考えても味方だと決めつけるのは早い…」
結論は出ないまま、ハバキリの面々は次の指示があるまで待機していた。
エリゼ「瀬那…」
遙「助けてよ…」
瀬那の目の前に2人が立っている。
瀬那はいつのまにか白騎士へ乗っていた。
近づいてくるにつれ、2人の容姿が変わってくる。
魔獣「タスケテ…」
魔獣「ラクニシテ…」
瀬那「いや!嫌!来ないで!」
そして、魔獣となった2人の後ろに紅蓮の装甲が降り立つ。
そして、紅蓮の装甲は2人を攻撃して2人の身体は崩れ去っていく。
魔獣「「ワタシタチヲミゴロシニシタ…」」
『お前達は大罪人だ!』
瀬那「違う…私は!私はっ!」
タワシタチヲミゴロシニ…大罪人…ミゴロシニ…大罪人…
瀬那「嫌ぁ!」
ガバッと起き上がると蒼穹の自室だった。
全身に汗をかいているのがわかった。
瀬那「まだ夜中の12時……。少し、風に当たってこよう…」
瀬那は蒼穹の甲板へ上がる。
そこには先に誰かがおり、夜風に当たっているようだった。
瀬那「ウルさんも…眠れないんですか?」
ウル「瀬那か…。そうだな、多分お前と同じだ…悪夢にうなされてな」
少しの沈黙が走る。
瀬那「彗星戦争の時の…錬さんも…こんな悪夢味わっていたんですかね…?」
ウル「そうだな。アイツの場合は背負っているものが遥かに違う…俺たち以上に悪夢を見ていたと思う」
瀬那「やっぱり、錬さんはすごいな…」
ウル「だから、皆、アイツに付き従いアイツを支えようと足掻いていた。お前もその1人だろ?」
瀬那「そう…ですね」
ウル「さて、俺はそろそろ戻る。今日からは忙しくなるだろう…早めに休んでおけ」
瀬那「はい!」
ウルは先に中へ入る。
1人残された瀬那は夜空を見つめ改めて覚悟を決める。
瀬那「錬さん…決めたよ、私はどんな事があっても戦って見せる!もう誰も私のような想いをさせない為にも!」
自分の胸に誓う様に瀬那は呟いたのだった。
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