第11話 最悪の再開

エリゼの失踪したと思われる場所に向かったハバキリ所属艦の2隻は現場周辺へ到着する。



瑠衣「艦は周囲を警戒…。各部隊は降下後、魔獣の出現を警戒しながら捜索にあたって下さい」

『『了解!』』


ウル『アークル部隊は降下後、目視で確認できた山間部の廃墟付近へ移動する』

『『了解!』』

瀬那「了解!(待っててね…遙…エリゼさん…)」

梁『『ルーン部隊は森にある廃村の確認にあたル』』

『『了解!』』


そして、2部隊は分かれて行動することとなった。

山間部付近に到着したアークル部隊はウルと琳が装甲から降り、廃墟内を確認し他は周囲を警戒する手はずとなった。



ウル「行くぞ…」

琳「あぁ…」


2人は廃墟に慎重に入っていく。



ウル「…!?~~~~!!」

琳「…!!~!」



聞こえてくるのは雑音だが、2人に何かあったようだということは周囲の者たちも理解した。



綺『中で何かあったみたい…』

ラナ『でも、雑音で詳しい事が…』

クルール『どうやら第2部隊の方も一悶着あったみたいだ…』



山から見下ろせる場所に第2部隊が行った廃村があるが、煙が見える。

そして、目の前の廃墟もバキバキという音を立てて中から何かが出てくる。




瀬那「魔獣!?」



目の前の廃墟から魔獣が出現する。


綺『2人は!?』

ラナ『大丈夫、脱出できてるみたい…だけど…』

クルール『様子がおかしいですね…』

瀬那「とにかく、魔獣を何とかしないと!」



攻撃しようとする瀬那に魔法装甲に乗り込んだ2人が止めに入る。



琳『やめろ瀬那!』

瀬那「でも、魔獣がこちらに向かって!」

ウル『あの魔獣は…遙だ…』

瀬那「えっ…」



ウルの言葉に瀬那の操縦桿を握る手が硬直する。



瀬那「うそ…だよね…?」

琳『嘘じゃない…俺も確認した…』



沈黙する一同、徐々に迫りくる魔獣と化した遙。

それに追い打ちをかけるかのように、梁からも絶望的な通信が入ってくる。



梁『こちら第2部隊…最悪な状況だ…現れた魔獣は…エリゼだ。そちらはどうなっている?』

ウル『こちらも同じだ…出現した魔獣の正体は…行方不明になっていた1人。西島遙だった…』

梁『クッ!これでは罠を張られたようなものダ!』

瑠衣『撤退します!全員帰投してください!』

『待ってください!周囲から通常の魔獣の反応あり!囲まれています!』

ソアラ『それだけじゃない!この反応パターン…人間が変化したと思われるものもいる!?』



瑠衣はしまったと思ってしまった。

自分たちが罠にかけられたのだという事をこの時理解したからだ。

唇を噛みしめ、自らの浅はかさを実感した。

そして、攻撃も撤退もできない様子を眺める1人の人物がいた。



「さぁて、どうするのかしらね?地球の英雄さんたち?このまま仲間や助けたはずの住民に殺されるか…はたまた、仲間たちを殺して無様に生き続けるか…見ものだわ」




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