はんぶんこ

 熱が出て大学を休んだ。

 38.0℃。

 熱を放出する体はだるい。

 一日中ベットの中でうんうん熱で喘いでいると、玄関のチャイムが鳴った。

 がちゃんと音がしてドアの開く音が聞こえる。

 あ、そーだ、そういえばみゆきに合鍵渡してたっけ。

 朦朧とする意識のなか、ふと気づく。

「まー君、起きてる?」

 死んでる。

 彼女の優しく心配する声が頭の中で反響する。

 おでこに冷たい手の感触。

 目を開けるとベットの隣に彼女がいた。

「つらそうね」

 そう言ってみゆきは僕のベットに潜り込む。

 病人のベットに潜り込むなんてなにごとか。

「熱、移るぞ」

「そうなったら嬉しいわね。二人で熱も苦しさも半分こ」

 そう言ってみゆきはベットの中から僕を見上げて微笑んだ。

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