盆休みにて 7

 その日の夜、涼香りょうか涼音すずねと通話していた。


 「涼音、聞えるかしら。早く会いたいわ、でもこうして声が聴けるだけで少しは満たされるというものね。そういえば涼音、私がいないからって不貞腐れていたみたいね。可愛いわ。知っているけど。可愛いわね。早く会いたいわ」

『不貞腐れていませんよ。てかうるさいですねえ』

「素直になりなさい。でも、素直じゃない涼音も好きよ。私が嫌いな涼音なんて存在してないわ。どんな涼音でも、私は好きよ。これが愛。……ねえ今のセリフいい感じではないの?」

『はいはい』

「涼音はどうなの? ほらほら、言ってみなさい」

『寝ていいですか?』

「眠れないのは知っているのよ」

『…………元気そうで良かったです』

「涼音の声を聞いたら元気になったのよ。帰ったら一日中抱きしめてあげるわ」

『仕方ないですねえ』

「でも待ちきれないわ! 今から夢の中で涼音を抱きしめてくるわね!」

『え、夢? なに言ってるんですか? 先輩? せんぱーい? えぇ……。………………なんで寝るんですか…………』

「起きてるわよ」

『はあ……? 紛らわしいんですよ、全く……』

「あら、眠たくなったの?」

『そういうんじゃないです。まあ色々と疲れましたけど』

「子守『いらないです』


 頬を膨らます涼香である。

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