清水家にて 3
「……これをこうすれば、リアルタイムで映せます」
眼に涙を溜めながら、めいながカメラの説明をする。
このカメラは、
「わあ、凄いですね。あ、そうだ。もしかして今もこの部屋をカメラで撮っているなんてことは――」
「無いよ! さすがに家ではしないよ‼」
「えへへ、ですよね」
「ここね、使えそう?」
「うん! 大丈夫だよ!」
三人の会話に参加できない
すると、置いてけぼりの二人に気づいた菜々美が口を開く。
「このカメラで、各教室を繋げるの。そうすれば、一か所に集まらなくても大丈夫になるはずよ。細かいことは後で教えるわ。使い方はここねも憶えてくれたみたいだし」
随分と早口で菜々美は話す。涼音と若菜を置いてけぼりにしていたのも、もしかすると早く帰りたいからではないのか、涼音と若菜はそう考えた。そうなのであれば、質問は後に回そう。
「なるほど、分かった」
「もし分からないことがあれば、その都度聞きますね」
これ以上なにも言うまいと口を閉じる。それを見た菜々美は頷く。そして、めいなの方へ目を戻す。
「終わり次第返しに来ます」
「じゃあ、わたし達予定があるので」
「え⁉ もう少しゆっくりしていけばいいのに」
急なことにめいなは驚くが、元々菜々美達は家にお邪魔する気は無かったのだ。
「“元”盗撮犯の家に長居なんてできる訳ないですよね?」
満面の笑みで答えるここねであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます