ベッドの上にて 6

 夏休みのこと。二人は涼音すずねの部屋のベッドで仲良く寝転んでいた。


「そういえば……先輩って宿題終わったんですよね?」

「ええ、終わったわ。私は自由よ――と言っても、土日は勉強しなくてはならないわ」


 大きなため息をつく涼香りょうか


 受験生だし仕方が無い。寧ろ受験生にもかかわらず、夏休み中、勉強するのが土日だけというのは少なすぎる気もする。


「じゃあ、またあたし一人なんですか?」

「あら、寂しいの?」

「別に」


 涼音の表情は見えない。しかし声から察するに、嘘をついている訳ではなさそうだった。


「…………………………」


 涼香の表情は見えない。しかしどんな顔をしているのかはなんとなく分かる。


 そこは寂しいと言ってほしかった涼香は、黙って涼音の頭を撫でるのであった。

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